自動車保険の「使用目的」が変わる場合は、保険会社に速やかに連絡する必要があります。
自動車保険は、使用目的によって保険金額に差があります。
使用目的は、「業務」「通勤・通学」「日常・レジャー」の3つに分かれているのが一般的です。
保険料は「業務」が一番高額で、「日常・レジャー」が最も安価です。
車通勤から電車通勤に変わった場合は、「通勤・通学」から「日常・レジャー」に変更しないと、余分な保険料を払い続けることになります。
逆に「日常・レジャー」で契約している車を通勤に使っていると、事故が起こった際に補償が受けられない場合があります。
今回は、自動車保険の使用目的の変更手続きの方法や注意点について解説します。
もくじ
自動車保険の使用目的が変わる場合は保険会社に必ず連絡
自動車の使用状況が変わった場合は、速やかに保険会社に連絡する必要があります。
保険の契約には、「契約時に通知した事項に変更が生じた場合は、保険会社に遅滞なく通知しなければならない」といった内容が記載されています。
こうした通知義務を守らないと、保険会社から契約を解除される場合があります。
車の使用目的は、事故のリスクに影響する重要な事項です。
「電車通勤から車通勤に変わった」
「車を仕事に使うようになった」
などの場合は、速やかに保険会社に連絡して使用目的の変更手続きをする必要があります。
保険会社によって手続方法が異なる
車の利用状況が自動車保険の契約時と変化する場合は、速やかに保険会社に連絡しましょう。
その際には、契約時の代理店に連絡するか、保険会社のカスタマーセンターに電話します。
保険会社の中には、会員専用ページからネット上で使用目的の変更手続きを行えるところもあります。
変更手続きの方法は、保険会社によって異なります。
会員専用ページにログインしてネット上で手続きが完了する保険会社もあれば、会員専用ページがあってもネット上では手続きできない会社もあります。
実際の手続方法については、契約している保険会社に確認してみてください。
書面で手続きを行う場合は、保険会社から送付されてきた書類にサインして送り返します。
手続きは簡単で、特に用意すべき書類もありません。
使用目的の変更は重要な手続きであり、面倒に思っても必ず保険会社に連絡するようにしましょう。
他の変更点がないか確認しておく
保険会社によっては、「使用目的を変更する理由」や「他に変更すべき点はないか」といったことを連絡した際に聞いてくる場合があります。
使用目的の変更を行う際には、他に変更する必要のある点がないか確認してから連絡しましょう。
例えば、自動車の使用目的が変わると「年間走行距離」も変わります。
年間走行距離を申告するタイプの保険であれば、使用目的とあわせて変更する必要があります。
また、「免許の色」や「運転者の範囲」、「運転者の年齢条件」などについても、申告してある条件が適切なものか連絡する前に念のため確認しておきます。
これらを変更する際にも条件変更手続きが必要になるため、変更する場合はまとめて行ったほうが、手間が省けます。
使用目的を変更する際には、必要に応じて別の条件変更手続きを一緒に行えるように、申告してある契約条件と現在の状態に違いがないか再度確認してから保険会社に連絡するようにしましょう。
保険料が安くなったら差額は返金される?
「通勤・通学」の使用目的を「日常・レジャー」に変更した場合などは、保険料が安くなります。
そうしたケースで保険料を契約時に一括払いしていた場合は、安くなった保険料との差額が返金されます。
返金される保険料は銀行口座に振り込まれるため、手続きを行う際には受取用銀行口座の情報を用意しておきましょう。
保険料についてはこちらの記事でまとめています。
保険料が高くなる場合は?
電車通勤から車通勤に変わり、「日常・レジャー」の使用目的を「通勤・通学」に変更する場合などは、保険料が高くなります。
その際には保険料が高くなるため、追加の保険料を保険会社に支払う必要があります。
追加の保険料は、クレジットカードで支払うのが一般的です。
スムーズに手続きが行えるように、変更手続きを行う際には手元にクレジットカードを用意しておきましょう。
クレジットカードを所有していない場合は、追加保険料の支払方法について保険会社に確認してみてください。
保険会社には使用目的を正確に伝える必要がある
保険会社には車の使用目的を正確に伝えることが大切です。
自動車保険の契約者は、保険会社に対する告知義務と通知義務があります。
告知義務は、「契約の際に保険会社に情報を正確に申告しなければならない」とするものです。
また、通知義務は、「申告した情報に変更があった場合には遅滞なく保険会社に通知しなければならない」という義務です。
こうした告知義務や通知義務に違反すると、最悪の場合契約を解除されることがあります。
告知義務や通知義務の範囲には、車の使用目的が含まれています。
使用目的は事故のリスクに影響する重要事項です。
契約時には車の使用目的を正確に申告する必要があり、変更が生じた場合は速やかに保険会社に連絡する必要があります。
実際と異なる使用目的の場合は補償が受けられない可能性がある
「日常・レジャー」で申告していた車を業務や通勤・通学に使用していると、事故が起きた際に保険金が支払われない場合があります。
悪意なくうっかり変更を忘れていたようなケースでは、追加の保険料を支払うことで補償を受けられる場合もあります。
しかし、その判断は保険会社次第であり、契約上は保険会社が保険金を支払う必要はありません。
万が一の事態に補償を受けられない事態を避けるためにも、車の使用目的は保険会社に正確に伝える必要があります。
使用目的の基準は保険会社によって異なる
ただし、使用目的の適用基準は保険会社によって異なる場合があります。
例えば「通勤・通学」に関して、「運転者の通勤・通学」に限定している保険会社がある一方で、「同乗者の通勤・通学」を含む保険会社もあります。
子供の送り迎えをする場合、前者の保険会社であれば運転者の通勤・通学には該当しないため、「日常・レジャー」が設定すべき使用目的です。
それに対して後者の保険会社の場合は、同乗者の通学に該当するため、使用目的を「通勤・通学」に設定する必要があります。
また、保険会社によっては「業務」「通勤・通学」「日常・レジャー」といった3つの分類方法を採用していないところもあります。
例えばソニー損保の使用目的は、「主に業務用」と「主に家庭用」の2種類のみです。
使用目的の設定に迷ったら保険会社に必ず確認する
使用目的の適用基準は保険会社によって異なるため、どの使用目的に該当するのか不明な場合は、保険会社に必ず確認するようにしましょう。
特に子供の送り迎えをする場合は、保険会社によって対応が異なります。
使用目的の基準を自己判断してしまうと、後でトラブルになる可能性があります。
保険会社の適用基準の差によって使用目的が間違っていた場合は、悪意のない間違いと判断されるため、通常は事故が起こった場合でも追加の保険料を支払うことで補償を受けることができます。
しかし、そうした場合でも手続きが面倒になるため、できる限り正確な使用目的を設定しておくべきです。
通勤などに車を全く使用していない場合や、業務用に使用している場合など、判断に迷わないケースでは問題ありませんが、少しでも使用目的の設定に迷うことがあれば、保険会社にしっかりと確認することをおすすめします。
車の使用頻度が変わった場合も保険会社に確認
「車通勤から電車通勤に変わった」「退職して車を通勤に使わなくなった」といった使用目的の変更が明らかな場合以外にも、変更手続きが可能になるケースがあります。
多くの保険会社では、使用目的の適用基準を「年間を通じて月15日以上、通勤・通学(もしくは業務)で車を使う場合」と定めています。
そのため、車の使用頻度がそれ以下に減少した場合は、通勤・通学などに使用していても「日常・レジャー」に変更できます。
保険料をなるべく節約するためにも、車の使用頻度が減少した場合は、「日常・レジャー」への変更が可能か保険会社に確認してみましょう。
逆に「日常・レジャー」に設定していて通勤・通学目的の利用が増加した場合にも、変更手続きが必要になります。
車の利用状況に変化があった場合は、手続きが必要か保険会社に確認することが大切です。
まとめ
自動車保険の保険料は、車の使用目的によって変わります。
車の使用状況が契約時と変わった場合は、速やかに保険会社に連絡する必要があります。
変更手続きを怠ると、余分な保険料を支払い続けることになったり、事故が起こった際に補償を受けられなくなる可能性がでてきたりします。
使用目的を変更する際には、代理店やカスタマーセンターに連絡します。
保険会社によっては、会員専用ページからネット上で手続きが行える場合もあります。
手続方法は保険会社によって異なるため、契約している保険会社に確認しましょう。
使用目的を変更すると、保険料が変わります。
保険料が安くなる場合は、一括払いしていた保険料との差額が返金されます。
逆に保険料が高くなる場合は、追加保険料を支払う必要があります。
変更手続きをする際には、受取用銀行口座やクレジットカードを準備しておきましょう。
使用目的の適用基準は、保険会社によって違いがあります。
特に、子供の送り迎えなどに使用する場合は注意が必要です。
車の利用状況がどの使用目的に該当するのか迷った場合は、後のトラブルを避けるために、必ず保険会社に確認するようにしましょう。