自動車保険の保険会社を変更する場合は、契約更新時に行うのが一般的です。
更新時に乗り換えると保険料の損失が発生せず、より安い保険料で契約を結ぶことができます。
また、自動車保険の保険料は、車を利用する人の年齢や利用目的、利用者の範囲などによって変化します。
通勤に車を使わなくなったり、子供が独立して家の車を運転しなくなったりするなど、契約時の状況と変化があった際には、自動車保険の見直しが必要です。
見直しを行わないと、保険料を多く払いすぎてしまったり、万が一の際に保険料がおりなくなったりする可能性があります。
さらに、保険料が高いと感じた際も自動車保険を見直す良い機会です。
保険会社は数多くあり、保険の範囲や保険契約の方法、保険料は会社によって差があります。
インターネットの一括見積もりなどを利用して保険の内容や保険会社を見直してみると、保険料が大幅に安くなる場合があります。
今回は、自動車保険の見直しを行うべきタイミングについて解説します。
もくじ
見直しのタイミング:契約更新時
自動車保険の見直し時期として最も一般的なのが、契約更新時です。
自動車保険の契約は多くの場合1年単位であり、満期を迎えた時期にあわせて保険を見直すと、最も手間がかからず有利に乗り換えることができます。
契約更新時であれば等級が上がって保険料が安くなる
契約更新時に保険を見直すと、ノンフリート等級が1段階上がり、安い保険料で契約を締結できるというメリットがあります。
ノンフリート等級は、各ドライバーの安全運転度をランク付けしたものです。
等級は1等級から20等級までの20ランクに分けられており、ランクに応じて保険料が割引されます。
事故を起こすとランクが下がりますが、1年間無事故の場合は等級が1つ上がります。
自動車保険の乗り換えを1年間の契約が満了した更新時に行えば、新しい契約はノンフリート等級が1ランク上がった安い料金で契約できます。
しかし、保険契約の途中で解約して乗り換えた場合は、たとえ無事故であったとしてもノンフリート等級は据え置かれます。
そのため、保険会社の乗り換えによって保険料が安くなる場合でも、満期前に保険会社を変更せず、契約満了を待ったほうがトータルの費用が安くなる場合があります。
中途解約による損失が発生しない
契約更新時に乗り換えれば、中途解約による保険料の損失が発生しません。
年払いの自動車保険を中途解約した場合、残りの期間に応じて解約払戻金が発生します。
解約払戻金は、保険料を月割りにした金額よりも少ないのが通常です。
例えば、1年契約の自動車保険を半年で解約した場合、解約払戻金は支払った保険料の30%程度です。
残りの契約期間は半分残っているため、20%程度の損失が発生することになります。
自動車保険を中途解約して乗り換える場合は、こうした解約払戻金と保険料の差額についても考慮して、トータルで安くなるかどうかをしっかりと検討する必要があります。
契約更新時に見直しを行えば、そうした中途解約による損失が発生せず、面倒な費用の計算も行わずに済みます。
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満期の3ヶ月程度前から見直しを考慮する
多くの各保険会社は、保険始期日の3ヶ月前から手続きを受け付けています。
そのため、現在の自動車保険が満了する3ヶ月程度前になったら、保険の見直しを考慮することをおすすめします。
なお、新しい契約の始期日は、前契約の満期日にあわせる必要があります。
前契約の満期日もしくは解約日の翌日から起算して7日以内に自動車保険が更新されないと、ノンフリート等級が引き継がれません。
折角積み上げた等級をリセットしてしまうことがないよう、自動車保険の乗り換えを考慮している場合は早めに検討を始めましょう。
見直しのタイミング:新たに車を購入したとき
新たに車を購入した際には、保険会社に連絡して手続きをする必要があります。
その時期にあわせて、既存の保険の見直しをするのもひとつの手です。
新たな車の購入には、古い車を手放すケースと、古い車を手放さずに両方所有するケースがあります。
古い車を手放して新しい車に乗り換える場合は、保険会社への連絡が必要です。
自動車保険は、保険証券に記載された車両に対してのみ適用されます。
車を買い替える場合は、保険会社に事前に連絡して、保険の対象となる車を変更する「車両入替」の手続きを行う必要があります。
手続きを怠ると、事故の際に保険金が支払われない場合があります。
また、古い車を処分せずに、2台のうちのどちらかをセカンドカーにする場合は、「セカンドカー割引」が適用されます。
セカンドカー割引を利用すれば、新たに加入する自動車保険の保険料を安くすることができます。
新しい車を購入する際には保険会社への連絡が必要になるため、保険の内容を見直す良い機会です。
より安い保険料で利用できる保険会社がないか、ネットで見積もりをとるなどして情報収集してみましょう。
なお、新車購入時に自動車保険もあわせて乗り換える場合、これまでの自動車保険のノンフリート等級を新しい車に適用することができますが、等級の引継ぎは前契約が終了してから7日以内に行う必要があります。
積み上げた等級がリセットされないよう、保険を見直す際には十分注意しましょう。
見直しのタイミング:年齢条件が変更になる場合
自動車保険の保険料は、運転者の年齢によって大きく異なります。
自動車保険の年齢条件は、「全年齢補償・21歳以上補償・26歳以上補償・30歳以上補償・35歳以上補償」で区分されるのが一般的です。
年齢が若いほど事故のリスクが高いとされており、保険料も割高です。
そのため、誕生日を迎えて、より安い保険料が適用される年齢になった場合は、保険料がどれだけ安くなるのか調べてみることをおすすめします。
その際には、気軽に利用できるネットの見積もりサービスを利用するのが便利です。
なお、年齢条件については保険会社によって基準となる年齢が異なり、1歳刻みで保険料を設定している保険会社もあります。
誕生日を迎えたら、より安い保険料で自動車保険を利用できないか調べてみましょう。
見直しのタイミング:車を運転する家族が増減した場合
自動車保険は、その車を運転する人が本人のみなのか、配偶者などの家族を含むのかによって大きく変わります。
また、運転者の年齢によっても保険料に差があります。
そのため、子供が免許を取得して車を運転するようになったり、独立して家の車を運転しなくなったりするなど、車を利用する家族が増減した場合は、保険の内容を見直す必要があります。
運転者の範囲を変更する必要がある
例えば、子供が免許を取得して車を運転するようになった場合は、運転者の範囲を「本人限定」などから「家族限定」に変更する必要があります。また、運転者の年齢条件も「35歳以上補償」などから「全年齢補償」などに変更しなければなりません。
この場合、運転者の範囲が広がるため保険料が高くなりますが、変更しないと子供が事故を起こした場合に補償を受けられません。
逆に、車を運転していた子供が独立してその車を運転しなくなった場合は、年齢条件を「全年齢補償」から「35歳以上補償」へ、運転者の範囲を「家族限定」から「本人限定」などへと変更します。
この場合は、運転者の範囲が限定されて保険料が安くなります。
運転する日数によって変更するかどうかを決める
子供が免許を取得するなど、車を運転する家族が増えた場合には、保険の変更が必要です。
しかし、年齢条件を「全年齢補償」に変更すると、保険料が非常に高くなる場合があります。
そのため、子供がたまにしか運転しない場合は、年齢条件などの変更をせずに別の方法をとるのもひとつの手です。
例えば、保険会社によっては、1日単位で自動車保険を申し込めるサービスや、夏休みの期間だけ加入できる保険を提供しているところもあります。
また、自動車保険の年齢条件を変えずに、子供分の追加保険料を支払えば子供も補償を受けられる「子供特約」を提供している保険会社もあります。
子供が免許を取得した場合などの運転者が増えるケースは、運転する頻度に応じて保険の見直しをするかどうかを検討しましょう。
見直しのタイミング:車の使用目的や頻度が変わった場合
自動車保険は、車の利用目的や走行距離に応じて保険料が変化します。
例えば、車通勤から電車通勤にした場合、車の使用目的が「通勤・通学」から「日常・レジャー」に変更になります。
そうすると保険料の算定基準が変わり、保険料が大幅に安くなります。
また、車の利用頻度が減少すれば、保険料算定の基準となる年間の走行距離も減り、保険料が減額されます。
通勤方法の変更などの生活の変化によって車の使用目的や頻度が変わった場合は、保険の見直しを行いましょう。
年間走行距離に応じて細かく割引を行っている保険会社に変更したり、保険会社に年間走行距離の変更を申告したりすることで、保険料が割安になるケースがあります。
逆に、電車通勤から車通勤になる場合なども、保険会社に連絡する必要があります。
車の使用目的や年間走行距離が契約時の条件と異なってしまうと、事故が起こった際に保険料がおりなくなる可能性があります。
見直しのタイミング:ゴールド免許を取得したとき
ゴールド免許は、運転免許証の更新をした時点で、過去5年以内に加点対象となる交通違反がない優良運転者に交付される運転免許証です。
正式名称は「優良運転者免許証」といい、免許証の有効期限の欄が金色であることからゴールド免許と呼ばれます。
ゴールド免許であることを申告すると、多くの保険会社の自動車保険が10%程度割引されます。
ゴールド免許を取得した場合、残りの保険期間次第では、中途解約でも保険料が安くなる可能性があります。
ゴールド免許を取得した際は、保険料がどの程度安くなるかネットなどで見積もりをとって調べてみましょう。
また、保険会社を乗り換えない場合でも、契約更新時には必ずゴールド免許を取得したことを保険会社に伝えて、保険料を割り引いてもらいましょう。
見直しのタイミング:保険料を負担に感じたとき
以上のようなケースに該当しなくても、保険料を負担に感じた場合や、補償内容を変更して保険料を安くしたいと感じた場合は、自動車保険を見直してみることをおすすめします。
補償内容を見直してみる
保険料を負担に感じた場合は、不要な補償内容がないか現在の契約内容をよく確認してみましょう。
特に、自分の車に損害が発生した場合の補償である「車両保険」の有無は、保険料を大きく左右します。
年式の古い中古車などは、修理費を自己負担するほうがトータルで費用を節約できる場合があり、そうした場合は車両保険を外すのもひとつの手です。
保険会社によって提供している自動車保険の補償内容は異なるため、補償内容の見直しを検討する場合は、なるべく多くの会社を比較することが大切です。
ダイレクト型は保険料が安め
自動車保険を提供している会社は数多くあり、会社によって契約方法が異なります。
対面で契約を行う代理店型の自動車保険の場合、代理店や支社の人件費・店舗費用がかかるため、保険料が高めの傾向があります。
それに対して電話やインターネットを利用して契約を行うダイレクト型の自動車保険は、代理店や支社の費用がかからず保険料が安価です。
代理店型の自動車保険の保険料を負担に感じたら、ダイレクト型の保険を検討してみることをおすすめします。
保険料の比較は一括見積もりが便利
自動車保険の見直しを行う際には、自動車保険の一括見積もりを利用するのが便利です。
自動車保険の保険料を決める要素は数多くあり、そのすべてを入力しないと金額が算定されません。
自動車保険各社のホームページでも保険料を確認することはできますが、複数の保険会社の見積もりを確認しようとすると、入力がとても大変です。
一括見積もりを利用すれば、1回の入力で複数の保険会社の見積もりを確認することができ、とても便利です。
自動車保険の保険料を節約する一番の方法は、多くの保険会社を比較することです。
便利な一括見積もりのサービスを利用して、より安価に利用できる保険会社がないか探してみましょう。
詳しくはこちらをどうぞ。
まとめ
自動車保険の見直しは契約更新時に行うのが最も一般的で、等級の上昇や保険料の面でも有利です。
しかし、運転する家族が増減したケースや車の利用目的が変更になったケースなど、状況が大きく変わった場合は、契約途中であっても保険料が安くなることがあります。
そうした場合は、より安く利用できないか各社のサービスと保険料を比較して、契約途中で保険を切り替えることも考慮してみましょう。
新車購入時・誕生日・ゴールド免許の取得時なども、自動車保険を見直す良いタイミングです。
また、生活状況に変化がなくても、保険料を負担に感じた場合は自動車保険の見直しを検討してみましょう。
自動車保険を提供している保険会社は数多くあり、複数の会社を比較することで、より安価な保険会社がみつかる可能性があります。
自動車保険を見直す際には、自動車保険の一括見積もりサイトを利用すると便利です。一括見積もりを利用すれば、手間をかけずに複数の保険会社の保険料を比較することができます。
今回ご紹介したようなタイミングで保険を見直すと、保険料が大幅に安くなる可能性があります。
より安価で自分にあった自動車保険をみつけるために、一度ネットなどで保険料を確認して、自動車保険の見直しを検討してみることをおすすめします。
関連記事になります。合わせてご覧ください。