自動車保険は、以下の4つの柱で構成されています。
相手の物の補償→対物賠償責任保険
相手の怪我の補償→対人賠償責任保険
自分の物の補償→車両保険
自分の怪我の補償→人身傷害保険、搭乗者傷害保険
人身傷害保険と搭乗者傷害保険は運転者、その車に同乗している者が事故で怪我をした場合、保険金が支払われるものです。
この2つに加入しておくことで、事故にあった際の補償を十分に受けることができます。
保険代理店で加入する場合は担当者から説明してもらえますが、近年はインターネットから気軽に加入できるようになった自動車保険。自分で説明を読み、理解し、補償を取捨選択しなければなりません。
誤解することのないよう、また誤った契約をすることのないよう、搭乗者傷害保険について理解を深めておきましょう。
もくじ
搭乗者傷害保険とは?
まずは搭乗者傷害保険について解説します。
搭乗者傷害保険の補償内容
事故で怪我をした場合、死亡保険金、後遺障害保険金、医療保険金等が支払われます。
契約時に保険金が支払われる条件と金額が定額で決められており、パンフレットやHPに条件も金額も公開されています。
例えば医療保険金を例に挙げると、足を骨折したら25万円、腹部の打撲だったら5万円・・・といった具合です。
ケース別に決まっているので、支払う側にとっても支払われる側にとっても分かりやすい保険なのです。
人身傷害保険と搭乗者傷害保険の違い
前述の通り、運転者と同情者の怪我に対して保険金を払うのは、人身傷害保険も同様です。しかし、人身傷害保険は怪我の治療費だけではなく、休業損害や逸失利益(本来手に入れられるはずだったのに、死亡や怪我のせいで受け取れなくなった収入のこと)も含まれるため、治療日数や休業日等が確定しないと計算ができませんから、保険金が支払われないのです。
後遺障害についても保険金が支払われますが、こちらも後遺障害と認定されるまでには時間がかかります。
入院中はなにかと出費が多いので、早く保険金を受け取りたい人は搭乗者傷害保険に加入しておいた方が良いでしょう。
損害保険会社のHPから搭乗者傷害保険について学ぶ
○搭乗者傷害保険は、どの保険会社でも加入できるのか?
まずは、こちらの表をご覧ください。
保険会社名 | 搭乗者傷害保険 | 備考 |
---|---|---|
あいおいニッセイ同和損保 | 特約有 | 傷害一時金特約が他社の搭乗者傷害保険に該当する。 |
損保ジャパン日本興亜 | 無 | 人身傷害保険の中に搭乗者傷害保険の補償内容が含まれている。 |
東京海上日動火災保険 | 無 | 人身傷害保険の中に搭乗者傷害保険の補償内容が含まれている。 |
アクサダイレクト | 有 | 人身傷害と搭乗者傷害の両方、人身傷害のみ、搭乗者傷害のみの3パターンから選べる。 |
イーデザイン損保 | 有 | 医療保険金、死亡保険金、後遺障害保険金等が支払われる。 |
おとなの自動車保険 | 有 | 人身傷害保険と搭乗者傷害保険の加入状況に応じて加入方法9パターンある。 |
ソニー損保 | 特約有 | 搭乗者傷害特約が他社の搭乗者傷害保険に該当する。 |
チューリッヒ | 有 | 医療保険金、死亡保険金、後遺障害保険金等が支払われる。 |
三井ダイレクト損保 | 有 | 医療保険金、死亡保険金、後遺障害保険金等が支払われる。搭乗者傷害保険にセット可能な特約も販売されている。 |
搭乗者傷害保険が存在しない保険会社は、人身傷害保険と搭乗者傷害保険がセットになって「人身傷害保険」と販売されているので、決して補償が存在しないわけではありません。
また、人身傷害保険と搭乗者傷害保険が別になっていても、特約として販売している等、仕組みや補償内容は少しずつ異なります。
ですから、結論を言うと「加入形態は違うが、どの会社で搭乗者傷害保険の補償内容を申し込むことができる」となります。
搭乗者傷害保険の加入状況
搭乗者傷害保険は皆が加入しているものなのでしょうか?
搭乗者傷害保険の加入率のデータを公表している会社がありましたので、参考にしてみて下さい。
保険会社名 | 搭乗者傷害付帯率 | 備考 |
---|---|---|
イーデザイン損保 | 61% | 2016年度データより |
おとなの自動車保険 | 68.2% | 2017年3月末データより |
出典:http://www.edsp.co.jp/products/products_004
搭乗者傷害保険 自動車保険のイーデザイン損保
http://www.ins-saison.co.jp/otona/compensate/human/passenger.html
搭乗者傷害 ご自身と同乗者の方などの補償 おとなの自動車保険
この2社では、6割以上の方が加入していますね。基本的には任意加入の補償でありながらこれだけ高い加入率を誇っているということは、多くの方がやはり搭乗者傷害は必要だと思っている表れではないでしょうか。
搭乗者傷害保険に加入しておくべき理由
保険金が支払われるタイミングの違い
搭乗者傷害保険は、医師の治療を受けたら払う、入院日数が5日を超えたら払う等事故が起こったらすぐ保険金が支払われるようになっています。
一方、人身傷害保険は怪我の治療費だけではなく、休業損害や逸失利益(本来手に入れられるはずだったのに、死亡や怪我のせいで受け取れなくなった収入のこと)も含まれるため、治療日数や休業日等が確定しないと計算ができないため、すぐに保険金を支払われなのです。後遺障害についても保険金が支払われますが、後遺障害と認定されるまでには長い時間がかかります。
入院中はなにかとお金がかかりますから、即時で支払ってもらえる搭乗者傷害の保険金は、貴重な財源になります。
人身傷害保険の保険金が支払われるのを待ってられない!という方は、搭乗者傷害保険に加入しておいた方が良いかもしれません。
搭乗者傷害保険は人身傷害と補償内容重複している=不要ではない
保険料の節約で搭乗者傷害保険には加入しないという人もいます。
確かに搭乗者傷害保険への加入は強制ではありませんから、保険料節約のために不要と考えることは間違いではありません。
人身傷害保険のみの事故にあっても貯金がたくさんあるから当面の入院費くらい自分で支払える!という人は、加入しなくても良いのかもしれません。
では、搭乗者傷害保険に加入しないとどのくらい保険料の節約になるのでしょうか?保険料を安くしたいからと言って、補償をスリムにすれば良いというものではありませんから、搭乗者傷害に加入した場合と加入しなかった場合の差額を計算してもみることをおすすめします。
搭乗者傷害保険の保険料の調べ方
搭乗者傷害保険の保険料は、一律で決まっているわけではありません。
保険料は車の情報、運転者の情報等、契約条件によって異なります。
そんな状況において自分の保険料がいくらか知りたい時は、保険会社の見積もりシステムを利用すると実は簡単に調べることができます。
保険料を計算する場合、搭乗者傷害保険を付帯する場合は、項目欄にチェックを付けたり日額を選択したりして計算ボタンを押せば、すぐ結果が出ます。
逆に搭乗者傷害保険を付帯しない場合は、チェックを外し、日額等の選択もしないで下さい。
搭乗者傷害保険の有無で保険料はどのくらい変わるのか
【契約条件 保険期間:1年間 等級:6等級 払い込み方法:一時払い 免許証の色:ゴールド 車名:ホンダステップワゴン 型式:RP5 運転者の範囲:限定なし 運転者の年齢:30歳 年齢条件:35歳以上補償(35歳以上補償がない場合は30歳以上補償) 使用目的:日常・レジャー 年間走行距離:5,000km未満 車両保険:無 人身傷害保険:3,000万円 対人賠償無制限 対物賠償無制限 その他特約無】
保険会社名 | 搭乗者傷害保険有 | 搭乗者傷害保険無 | 差額 |
---|---|---|---|
あいおいニッセイ同和損保 | 61,470円(傷害一時金特約1万円-10万円タイプ) | 58,720円 | 2,750円 |
アクサダイレクト | 26,610円(保険金額500万円) | 25,130円 | 1,480円 |
イーデザイン損保 | 34,530円(保険金額500万円) | 33,330円 | 1,200円 |
おとなの自動車保険 | 40,370円(保険金額500万円) | 39,600円 | 770円 |
ソニー損保 | 42,950円(特約保険金額500万円) | 40,780円 | 2,170円 |
チューリッヒ | 24,440円(保険金額500万円) | 補償無しを選択できず | ー |
三井ダイレクト損保 | 33,700円(保険金額500万円) | 31,770円 | 1,930円 |
こちらは全て一時払いで計算しています。
口座振替になると12分割ですから、月々数百円の負担で補償を手に入れることができます。
なお、おとなの自動車保険のHPから見積もりすると、補償ごとの保険料の内訳が見られるようになっているのでこれらの会社の中では1番見やすいかと思います。
保険料の比較を簡単に行いたい
搭乗者傷害保険とは何かが分かって頂けたでしょうか?では、最後に、実際契約するにあたって、お試し頂きたいことをお伝えします。
それは、「保険料の一括見積もりサービスを利用すること」です。
一括見積もりサービスは、契約条件を入力するだけで1度に複数の会社の保険料の見積もりがメール、ハガキで手に入るというサービスです。
保険会社ごとに自動車の情報を入力して、補償内容も入力して・・・となると時間もかかりますし、補償内容は「あれ?この特約は付けるんだっけ?」「契約金額はいくらに設定するんだっけ?」と他の会社と条件を同じにするために細かく確認しなければなりません。
そのような煩わしさを排除してくれる一括見積もりサービス、入力自体は早ければ5分程度で終わらせることができます。
朝でも深夜でも、自宅からでも職場からでも、ご自身の都合の良いタイミングと場所で血要することができますので、是非利用してみて下さい。
詳しくはこちらをご覧ください。
さいごに
以上で説明は終わりです。
搭乗者傷害保険とは何か、その必要性について、自動車保険を選ぶ時に参考にして下さいね。
まとめると
・搭乗者傷害保険は、契約している車に乗車中事故を起こした場合に支払い対象となる
・怪我の種類、病院にかかった日数等条件に応じて決まった額を支払う
・6割以上の人が加入している
・保険金が支払われるタイミングが、人身傷害保険に比べて早い
・月々の保険料は100円~200円台
搭乗者傷害保険は、自動車保険に加入する際、是非おすすめしたい補償内容です。
この記事が、読者の方の素敵なカーライフのお役に立てれば幸いです。
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