車両保険ってご存知でしょうか?
「自動車保険のことだよね?簡単だよ!」と思われた方もいるはずです。
では、続いて質問します。
車両保険と自動車保険の違いって分かりますか?
車両と自動車、どちらも指しているものは同じなのですが、保険になるとちょっと意味が違うのです。
おまけに車両保険があるかないかで、どんな内容のものを選択するかによって、万が一の補償が全くと言っていいほど違うものになります。
車両保険の内容とそのメリット、デメリットを学習し、後悔のない保険選びをしてください。
もくじ
車両保険とは?

車両保険は自分が搭乗している車の破損、滅失に対応した保険
ひとくちに自動車保険と言っても、その中には①相手の怪我を補償する対人賠償責任保険②相手の所有物の破損等補償する対物賠償責任保険③自分自身や同乗者の怪我を補償する人身傷害保険④自分の所有している車の破損等を補償する車両保険の4つがあります。
車両保険は任意の補償なので、契約時に加入するかしないかを選択することができます。勿論契約の途中からでも加入したり、やめる等の変更はできます。
ただし、当然ながら車両保険に加入していない契約者が、事故で車が壊れたからといって事故の後車両保険を契約しても、さかのぼって保険が適用されることはありません。
車両保険を契約するかしないかで、契約者が支払う保険料に大きな差が出てきます。
補償内容とあわせて、その保険料の推移についてもご説明していきます。
車両保険の補償内容
車両保険には、①一般条件②車対車+A、2種類の補償内容があります。
①一般条件
電柱・外壁等への衝突 ○
当て逃げ ○
車同士の衝突 ○
いたずら ○
火災・爆発 ○
盗難 ○
飛び石 ○
台風等の自然災害 ○
地震・噴火・津波 ×
②車対車+A
電柱・外壁等への衝突 ×
当て逃げ ×
車同士の衝突 ○
いたずら ○
火災・爆発 ○
盗難 ○
飛び石 ○
台風等の自然災害 ○
地震・噴火・津波 ×
電柱・外壁等への衝突 | 当て逃げ | 車同士の衝突 | いたずら | 火災・爆発 | 盗難 | 飛び石 | 台風等の自然災害 | 地震・噴火・津波 | |
一般条件 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ? |
車対車+A | ? | ? | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ? |
車同士の事故であれば、相手の自動車保険の対物賠償責任保険で弁償してもらえるケースもあります。
が、自分が停車中に相手の車に一方的にぶつけられたという状況でもない限り、過失割合が発生するので、いくらか自己負担しなければならない場合も想定しなければなりません。
また、当て逃げで相手が分からない、車庫入れに失敗した等のケースでは、そもそも賠償を求める相手がおらず、車両保険で対応するか自腹で修理費を支払うかのいずれかになります。
車両保険の補償範囲は先程の表を確認して頂けると一通り分かりますが、特約(加入することで、補償範囲を更に拡大することができる)を付けていれば更に補償範囲が広がります。
とはいえ、車両保険を付けていないと追加できない特約もあるので、自分の財産を守る、補償を手厚くするという面で車両保険は必要な補償と言えます。
車両保険を契約する時に決めるもの

①車両保険金額
契約時に車両保険金額という、保険金の上限を決めます。
この金額は、新車であれば車両本体価格とオプションと消費税を足した合計金額で、150万円と185万円等5万円刻みで決めます。
中古車であれば、型式や販売年数、中古車情報誌掲載の販売価格等を参考に決めます。
②免責金額
事故が起きた場合、契約者が自己負担する金額のことです。
契約書に0-10万円となっていたら、契約後初めての事故は自己負担なしで、2回目以降の事故は10万円負担となります。
よって、2回目以降の事故で修理費が3万円だったら、保険を使えず自費で修理することになります。
車両保険の保険料

契約条件と免責金額で保険料に差は出るのか
「補償する範囲が広い」「保険会社が支払う金額が多い」ということは、保険料が高いということです。
よって、一般条件と車対車+Aで比べると、当然一般条件の方が高くなりますし、免責金額は設定する金額が0に近いほど保険料が高いということです。
これらを踏まえて、実際に計算するとどのくらい保険料が違うのかをまとめました。
なお、条件は以下の通りです。
初度登録:平成30年4月
型式:NHP10H
車名:トヨタ アクア
使用目的:日常レジャー使用
被保険者生年月日:平成2年1月1日
免許証の色:グリーン
年間走行距離:5000キロ未満
運転者限定:本人限定 年齢条件:26歳以上補償
等級:6等級
対人賠償:無制限
対物賠償:無制限
人身傷害補償:3000万円
搭乗者傷害:500万円
車両保険金額:230万円
インターネット割引:有
アクサダイレクトの保険料
①一般条件
免責0-10 101,150円
免責5-10 91,430円
②車対車+A
免責0-10 67,920円
免責5-10 63,610円
一般条件 | 車対車+A | ||
免責0-10 | 免責5-10 | 免責0-10 | 免責5-10 |
101150 | 91430 | 67920 | 63610 |
同じ一般条件でも、免責金額を変えると9,720円の差額があります。
免責金額は同じでも車両保険の条件を変えると、免責0-10の時は33,230円、免責5-10の時は27,820円も差額があります。
あまりに保険料が高くてこれでは契約できない!と思ったら、やみくもに他の補償を減らすのではく、車両保険の条件を見直したり、免責金額を変更することで、保険料を調整することができますのでやってみましょう。
車両保険のメリット、デメリットは?

車両保険のメリット
車両の故障は、修理が簡単に済むものもあれば、買い替えを要するものもあります。
普段から安全に運転しているから事故を起こさない自信があるという人でも、いたずらや自然災害による損傷を100%回避することは無理です。
たまにしか車に乗らない人なら車が壊れてもあまり問題はないのかもしれませんが、車がないと不便な人や仕事で使う人にとっては、死活問題ですよね。
そんな時車両保険があれば、お金の心配はしなくてよいので、万が一の事故の際も心強いでしょう。
車両保険のデメリット
車両保険で補償される範囲は先程述べたとおりですが、一般条件でも車対車+Aであったも補償されないもの=免責事項があります。
それは、部品のさびや腐食といった時間の経過とともに劣化するものに対しては保険金が支払われないことです。
また、タイヤのパンクについても保険金は支払われません。
これらの故障やトラブルに関しては、自己負担をするしかないのです。
ちなみに車両保険の免責には他にも戦争やテロ、故意の事故等があります。
車が壊れたら何でも車両保険で修理できるわけではないということを覚えておいてください。
車両保険と等級ダウン
自動車保険の保険料の計算には、等級を利用します。
等級は初めての契約は6等級(条件によっては7等級)から始まり、下は1等級、上は20等級(共済は22等級)まで存在します。
通常1年間無事故であれば、翌年に1つ等級が上がります。
事故があると、事故の種類や支払った保険金の内容により、3種類の事故に区分され、それに応じて翌年の等級が変わってきます。
【ノーカウント事故】
ロードサービスのみ利用、レンタカー貸し出しのみ利用
【1等級ダウン事故】
火災・爆発、いたずら、飛び石、盗難
【3等級ダウン事故】
電柱等への衝突、当て逃げ、車同士の衝突等
等級ダウン事故になると、等級ダウンに加え、事故有係数適用期間が1もしくは3になります。
事故有係数がある期間は、同じ等級でも割引の低い方の等級が適用されます。
保険会社に事故報告をしたものの、翌年の保険料が高くなりすぎるのであれば、自己負担に切り替え自腹で修理することも可能です。
その場合は、事故報告があったとはいえ事故件数は0になりますので、翌年等級が1つアップします。
さいごに

車は家で眺めるだけで、どんな衝撃が来ても壊れない頑丈な車庫の中で車を保管している
人であれば、車両保険は不要と言えます。
でも、ほとんどの人が買い物、仕事、通勤に車を使っています。
その道中、運転を誤ったり、またぶつけられたりするリスクは0ではありません。
車を運転するということは、常に事故のリスクにさらされているということです。
計算された保険料を見ると「高い!」と思いますが、いざという時に何十万、何百万円にも及ぶ出費を考えると、安心料と考えれば納得の金額と言えるでしょう。
無事故の期間が続けば等級が上がりますし、いずれ保険料は安くなります。
また、インターネットで契約する、早期契約割引の得点を使う等すれば、車両保険有でも比較的安価な保険料で契約することも可能です。
保険料一括見積もりシステム等を活用し、是非車両保険ありのプランを契約してください。