最近では、安全な運転をサポートしてくれる機能が付いた車も増えてきていますね。
なかでも、衝突の危険が高まった場合に自動的にブレーキを作動させてくれる「自動ブレーキ」が有名です。
この他にも、車線を超えたら警告してくれる警報装置、前の車との車間を自動的に維持してくれる「車間距離制御装置」など、さまざまな安全運転をサポートしてくれる機能があります。
次に購入する車は、こういった運転をサポートしてくれる機能のついたものにしようと考えている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
安全な運転をサポートしてくれる機能がついた車はASV(先進安全自動車)と呼ばれ、こういった車を対象として自動車保険でも「ASV割引」という割引を設けている保険会社もあります。
ここでは、ASV割引について「どんな車種が対象となるのか?」また、「どこの保険会社でASV割引が受けられるのか?」をご紹介しています。
もくじ
ASV割引の対象となる車種は?
ASV割引の対象となる車は、以下の3つに該当する車です。
・ASVのなかでも「自動ブレーキ」機能がついたもの
・自家用途の普通自動車・小型自動車、軽自動車
・普通自動車・小型自動車の場合には、発売から3年以内の型式の車
ASVのなかでも「自動ブレーキ」機能がついたもの
ASVには自動ブレーキ以外にも、ペダルの踏み間違いした時に出力を抑えて急発進を抑えてくれる「誤発進抑制制御機能」、前の車との車間距離を自動的に維持してくれる「車間距離制御装置(ACC)」、車線をはみ出しそうになった場合に警告してくれる「車線逸脱警報装置」、死角になりミラーでは確認できない場所に車がいることをドライバーに教えてくれる「リアビークルモニタリングシステム」などがあります。
しかし、ASV割引の対象になるのは、「自動ブレーキ」のみです。
他のASV機能がついていても、自動ブレーキがついていない場合にはASV割引が適用されません。
まずは、「自動ブレーキ」がついているかどうか確認してみましょう。
自家用途の普通自動車・小型自動車、軽自動車
ASV割引は自家用途の普通自動車、小型自動車、軽自動車が対象です。
事業用の車はASV割引の対象となりませんから注意が必要です。
普通自動車・小型自動車の場合には、発売から3年以内の型式の車
軽自動車は現在のところは、発売から何年経過していても「自動ブレーキ」がついていればASV割引の対象となります。
しかし、普通自動車と小型自動車の場合には、車が発売されてから3年以内のものにだけASV割引が適用されます。
発売されてから3年以内とは、車の型式が発売された年度に3を加えた年の12月末までの期間です。
例えば、2018年に発売された車を購入した場合、2021年の12月末までASV割引の対象となります。
また、車の型式が発売されてから3年ですから、去年発売された車を購入した場合にはたとえ新車で購入したとしてもASV割引は2年間しか適用されないということになります。
普通自動車・小型自動車にASV割引が適用されるのは、なぜ発売から3年以内なの?
軽自動車の場合には、自動ブレーキがついていれば発売年にかかわらずASV割引が適用されます。
一方、普通自動車・小型自動車の場合には、発売から3年以内とASV割引が適用される期間が限られています。
これは、普通自動車・小型自動車の自動車保険料が、「車両料率クラス」の影響を受けるためです。
車両料率クラスは、車の車種・型式ごとに事故や盗難にあうリスクを数値化して保険料にそのリスクを反映するものです。
車両料率クラスには1~9のクラスがあり、数字が大きいほどリスクが高いとみなされて保険料が割増されます。
この車両料率クラスは、損害保険料率算出機構がその車種・型式の過去3年間の事故や盗難による自動車保険の支払いデーターをもとに算出されています。
発売されて間もない車は、車両料率クラスを算定するデーターがないため車両料率クラスが決められません。
ただ、自動ブレーキがついている車は安全性が高まり事故に合うリスクが低下するはずですから、これを先に保険料に反映しましょうということで普通自動車・小型自動車で発売から3年以内の車にASV割引が適用されています。
発売から3年を超えた車は事故や盗難による保険料の支払いデーターもたまり車両料率クラスが算定できますから、自動ブレーキの安全性もこの車両料率クラスに含まれることになりASV割引は適用されないということになります。
ASV割引ではどれくらい割引かれる?
ASV割引では、普通自動車・小型自動車も軽自動車も「9%の割引」が受けられます。
9%の割引と聞くと少なく感じられるかもしれませんが、自動車保険料が高額である場合にはそれなりにまとまった割引額となります。
例えば、自動車保険料が年間15万円である場合には13,500円の割引が受けられることになり、保険料が136,500円で済むことになります。
自動車保険料が高くなりがちな方ほど、ASV割引の対象車を購入することを検討してみるといいかもしれませんね。
ASV割引がある保険会社は?
ASV割引はすべての保険会社で設けられているものではありません。
ここでは、ASV割引のある大手保険会社をリストアップしてみました。
参考にしてみてくださいね。
ASV割引のある大手保険会社
保険会社名 |
三井ダイレクト損保 |
三井住友海上 |
ソニー損保 |
チューリッヒ |
SBI損保 |
あいおいニッセイ損害保険 |
AIG損保 |
損保ジャパン日本興亜 |
東京海上日動 |
おとなの自動車保険 |
イーデザイン損保 |
共栄火災 |
さいごに
ASV割引は、自動ブレーキがついている自家用自動車に適用される割引です。
9%というそこそこの割引が適用されますから、自動ブレーキがついた車を検討されている方にとってはオトクな割引だと言えそうです。
すべての保険会社でASV割引が設けられているわけではありませんが、かなり多くの保険会社で用意されています。
自動車保険料はちょっとした割引の積み重ねで随分と違ってきますから、賢く活用して保険料を節約していきましょう。