自動車保険の車両入替をスムーズに行うためには、条件を満たしていることが必要です。
保険を契約している最中に車を購入するなどして乗り換えた場合、自動車保険の車両入替手続きをする必要があるのですが、この手続きをせずに新しい車で事故を起こした場合、補償が全く受けられない可能性もあるので、忘れずにしておかねばなりません。
うっかり手続きを忘れていて保険金が支払われなかったということのないようにしたいものです。
それでは、自動車保険の車両入替の条件について、詳しくみていきましょう。
もくじ
自動車保険の車両入替をするための3つの条件を解説
自動車保険の車両入替とは、今まで契約していた自動車保険の補償内容や等級、無事故情報、事故情報などをそのまま新しい車に引き継ぐことをいいます。
ただし、どのような車でも入替ができるわけではなく、
・車両入替前後の所有者の条件
・車両入替後の車の条件
・入替前と入替後の用途車種区分の条件
の3つの条件を満たすことが必要です。これらを満たせない場合は、新規に自動車保険を契約することとなります。
車両入替の条件①入替前と入替後の車の所有者
自動車保険の車両入替で、スムーズに手続きができる条件のひとつとして、これから入替する車両の所有者が、下記のどれかに当てはまることが求められます。
入替後の車両の所有者 |
・入替前と入替後の車の所有者が同じ人 |
・記名被保険者の人 |
・記名被保険者の配偶者 |
・記名被保険者の同居親族 |
・記名被保険者の配偶者の同居親族 |
これらの条件に当てはまらない場合、車両入替の手続きをすることはできず、新規で自動車保険を申し込まなければならないことになります。
例えば、車両入替前の車の所有者は「自分」だったが、入替後の車の所有者を「法人名義」にした場合は、車両入替ができず、法人名義で自動車保険を入りなおさなければなりません。
ただし、保険会社によっては、名義ではなく、「実質の所有者」を優先してくれるところがあります。例えば、会社名義の車だけれども、実質利用し、所有しているのが自分だと申告したり、一筆書くなどすれば、車両入替を認めてくれる場合もあります。
まずは、自動車保険会社に電話して状況を説明し、アドバイスを求めると良いでしょう。
車両入替の条件②車両入替後の車両の種類
車両入替をスムーズに行うには、車の所有者だけではなく、「車両の種類」も関係してきます。車両が満たすべき条件は、以下のようなものです。
・新しく購入したり、譲渡された車両である
・新しくリース契約(1年以上)をした車両である
・他の自動車保険からはきだされた車両
車両入替をする場合、新車を買ったり、車を譲渡されたり、ディーラーとリース契約を結んだ車両、また他の自動車保険からはきだされた車両であれば、スムーズに入替手続きをすることができます。
ほかの自動車保険からはきだされた車とは?
車両入替の条件に合致している「他の自動車保険からはきだされた車両」とはどのような車のことを言うのでしょうか?
例えを使って説明します。
まず、はじめにA車を購入して自動車保険に入り、その後二台目のB車を購入したとします。このとき、自動車保険をどうすべきかを考えると
① A車で契約していた自動車保険をB車に適用できるように変更する
② B車のための新しい自動車保険を契約する
という二通りの方法があります。
もしも、①のやり方をとった場合、車両入替によって、A車にかけられていた自動車保険はB車にうつりますので、A車は自動車保険がない状態となってしまいます。
このA社のことを「はきだされた車」という風に呼ぶのです。この「はきだされた車」は、新規取得車と同様に見なされます。もし、この人がC車を保有していた場合、C車に掛けられていた自動車保険の車両入替をして、C車からA車へ保険を移動することが可能となります。このようなことができるので、車両入替ができる車両の条件として「はきだされた車」も入っているのです。
はきだされた車ではなく、以前から長く持っていた車の場合は、車両入替はできないことになりますので注意しましょう。
車両入替する車の用途区分が同じものであること
自動車保険の車両入替をする場合は、入替前と入替後で「用途車種が同じ区分であること」である必要があります。用途車種とは、車検証に記載されており、「自家用車普通乗用車」や「自家用軽四輪貨物車」などがあります。
用途車種はかなり多くの種類があり、グループ分けされています。入替前と入替後の車両の用途車種がまったく同じである必要はなく、同じグループのものであれば車両入替は可能です。
それぞれのカテゴリーで、Aグループに所属している車であれば、Bグループのどの車種でも車両入替ができます。例えば、自家用8車種のカテゴリーであれば、「自家用普通自動車」から「自家用普通貨物車(0.5トン以下)」への車両入替も可能ということになります。
自家用8車種
現在契約している自動車 (Aグループ) | 入替を行う自動車 (Bグループ) |
自家用普通自動車 | 自家用普通自動車 |
自家用小型乗用車 | 自家用小型乗用車 |
自家用軽四輪自動車 | 自家用軽四輪自動車 |
自家用小型貨物車 | 自家用小型貨物車 |
自家用軽四輪貨物車 | 自家用軽四輪貨物車 |
自家用普通貨物車 (最大積載量0.5トン以下) | 自家用普通貨物車 (最大積載量0.5トン以下) |
自家用普通貨物車 (最大積載量0.5トン超2トン以下) | 自家用普通貨物車 (最大積載量0.5トン超2トン以下) |
特種用途自動車(キャンピング車) | 特種用途自動車(キャンピング車) |
二輪自動車
現在契約している自動車 (Aグループ) | 入替を行う自動車 (Bグループ) |
二輪自動車 | 二輪自動車 |
原動機付自転車
現在契約している自動車 (Aグループ) | 入替を行う自動車 (Bグループ) |
原動機付自転車 | 原動機付自転車 |
自家用貨物車
現在契約している自動車 (Aグループ) | 入替を行う自動車 (Bグループ) |
自家用軽四輪貨物車 | 自家用軽四輪貨物車 |
自家用普通貨物車 (最大積載量2トン超) | 自家用普通貨物車 (最大積載量2トン超) |
自家用普通貨物車 (最大積載量0.5トン超2トン以下) | 自家用普通貨物車 (最大積載量0.5トン超2トン以下) |
自家用普通貨物車 (最大積載量0.5トン以下) | 自家用普通貨物車 (最大積載量0.5トン以下) |
自家用小型貨物車 | 自家用小型貨物車 |
特種用途自動車
現在契約している自動車 (Aグループ) | 入替を行う自動車 (Bグループ) |
特種用途自動車 (キャンピング車) | 特種用途自動車 (キャンピング車) |
特種用途自動車 (キャンピング車以外) | 特種用途自動車 (キャンピング車以外) |
自動車保険の車両入替で必要なものは?
自動車保険の車両入替手続きには、新しい車の情報を申告することが必要ですので、車検証が必要です。
また、積算距離計の数値も必要で、「現在の車」と「入替後の車」のどちらのデータも申告する必要があります。新しい車の積算距離計は、新車ならば0kmとなります。中古車の場合は、中古車ディーラーに聞けば教えてくれます。
このように、乗り換える車の情報はすぐにわかるのですが、入替前の車の場合、下取りに出すなどして手離してしまうと、その値がわからなくなってしまいます。下取りに出す、譲渡するといった場合は、積算距離計のデータをきちんと記録しておきましょう。
自動車保険の車両入替時に等級は引き継げるの?
自動車保険の車両入替とは、今まで契約していた自動車保険の補償内容や等級を丸ごと新しい車に引き継ぐことをいいますので、等級も入替後の車に適用することができます。
そして、等級だけではなく、無事故情報や事故情報などの詳細な情報も同時に引き継ぎます。
無事故・無違反であれば、次回の保険更新時に等級が上がることになりますので、良い情報はできるだけそれを引き継ぎたいですね。車両入替をきっかけに保険料が上がってしまうことも多いので、良い等級を引き継げたら、それだけでコスト削減につながります。
自動車の車両入替手続きをせずに新規契約すると等級を引き継げる?
自動車保険の入替手続きをすると、保険料が上がってしまうことが多いので驚く人も多くいます。
それは、一般的には以前の車よりも新車の方が車の価値が高いからです。
また、以前よりも高級な車に買い替えたときは、毎月1万円以上保険料があがってしまったという人もいるほどで、「自動車保険の車両入替の際には、保険料が上がる可能性が高い」ということを理解しておく必要があります。
乗り換えに伴う保険料アップを避けるには、自動車保険の一括見積もりサイトを利用し、保険料が安く抑えられる自動車保険がないかを探してみることが大切です。
最近はダイレクト型自動車保険の人気が上昇しており、驚くような安い保険料で、良いサービスを受けられる自動車保険も多く提供されています。
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自動車契約期間に事故を起こした場合は、自動車保険の乗り換えは慎重に
ここで気になるのは、車両入替の時と同様に「等級を引き継げるのか」ということです。
自動車保険の契約途中に、新しい保険に乗り換えを行う場合、「ノンフリート等級制度」を利用している保険会社間であれば、引き継ぎが可能です。
たいていの保険会社はこの制度を採用していますので、ほぼ引き継げると思っておいて良いでしょう。
ただし、事故情報など、悪い情報も引き継がれますので、もしも契約期間中に事故を起こした場合には、現在の等級から下がってしまった等級での契約となります。どれくらい等級が下がるかは、その事故内容に基づいて決められます。
事故を起こした場合、現在契約中の自動車保険の等級が下がるのは次回の更新時となります。しかし、新規契約になると、契約時に等級が下がってしまうことになりますので、本来等級が下がるタイミングより早く、等級が下がってしまうことになります。
契約期間中に事故を起こしていて、契約の残り期間がまだ長い場合は、新しい保険に乗り換えるのではなく、現在の自動車保険での車両入替をする方がお得な場合もあります。
しかし、等級が下がっても、ダイレクト自動車保険の保険料の方が安い場合も多くありますので、一度自動車保険の一括見積もりサイトを使って「17社の自動車保険料を調べ、比較してみる」ことをおすすめします。
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まとめ
自動車保険の車両入替手続きでは、手続き自体は簡単にできるものの、満たさなければならない条件がありますので、よく理解しておくことが大切です。
また、車の乗り換え時には、車両の入替をするよりも、保険料が安い自動車保険を新規契約するほうがお得な場合もあります。
保険料一括見積サービスを利用すると、簡単な入力をするだけで、17社分の見積もりをとることができ、保険料を簡単に比較できますので、「車両入替をするのか」「自動車保険を乗り換えるのか」ということを、一度考えてみることをおすすめします。
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