自動車保険を契約するとき、搭乗者傷害保険が必要かどうか判断するのは悩んでしまいますよね?
悩む理由としては、
「そもそも搭乗者傷害保険がどんな補償なのか分からない」
「聞くのはちょっと恥ずかしい・・・」
「代理店に相談してもおすすめです、としか言われなさそう」
等が考えられます。
そんな搭乗者傷害保険で悩んでしまう貴方に、お伝えしたいことがあります。
①搭乗者傷害保険は、絶対加入が必要な補償ではありません。
②搭乗者傷害保険が必要な人もいれば、不要な人もいます。
③皆が入っているから加入する、皆が入っているから加入しないではダメです。
③は搭乗者傷害保険に限らず言えることではありますが、ひとまず搭乗者傷害保険は自分に
とって必要か、不必要か、見極めましょう。
そのために必要な予備知識、情報をこの記事で解説します。
もくじ
搭乗者傷害保険とは?
まずは搭乗者傷害保険についてお話したいと思います。
搭乗者傷害保険は契約している車に乗車中の事故を補償してくれる保険
搭乗者傷害保険は、自動車事故により亡くなった、あるいは怪我を負ってしまった場合にあらかじめ決められた額を保険金として支払う保険です。
ただ、ひと口に保険金といってもいくつか種類があります。
どのような保険金が支払われるのか、保険会社のHPで確認してみました。
・死亡保険金
・医療保険金
・後遺障害保険金
・重度後遺障害特別保険金
・重度後遺障害介護費用保険金
保険会社によって呼び名が多少変わるものの、おおむねこの5種類の保険金が支払われます。
各保険金の特徴
先程の5種類の保険金について、どのように保険金額を決めるのか、またどの怪我をしたらいくら保険金が支払われるのか、より具体的に確認していきましょう。
【死亡保険金】
事故日からその日を含めて180日以内に亡くなった場合に、保険金が支払われます。
保険金額は500万円、1000万円、1500万円、2000万円等複数の種類から選ぶことができます。
【医療保険金】
1日~4日以内の入院や通院であれば1万円、5日以上の場合は怪我の場所と症状に応じた保険金が支払われます。
以下の表をご覧下さい。
部位および症状 | 医療保険金の額 |
① 脳挫傷等の脳損傷、頭蓋内出血または頭蓋内血腫、頸髄損傷、脊髄損傷、胸部・腹部の臓器損傷 | 100万円 |
② 上肢・下肢の欠損または切断、眼球の内出血または血腫、眼の神経損傷、眼球の破裂 | 50万円 |
③ 骨折・脱臼、脳・眼・頸髄・脊髄を除く部位の神経損傷、上肢・下肢の腱・筋・靭帯の断裂 | 30万円 |
④ 打撲・挫傷・擦過傷・捻挫等、上記①から③以外のもの | 10万円 |
出典:https://www.axa-direct.co.jp/auto/pop/medical_contract_new.html
こちらは、アクサダイレクトのHPで公開されている医療保険金の一覧です。
症状が重くなるにつれ、医療保険金額も高くなっているのが分かります。
また、保険に詳しくない契約者でも、自分の症状に対応する保険金額はどれか、表を見ればすぐ判別できるという分りやすさがあります。
アクサダイレクトは医療保険金を4種類に絞っていますが、チューリッヒではこの表が更に細分化されており、医療保険金も最低5万円から最高で110万円となっています。
なお、アクサダイレクトでは搭乗者傷害保険の医療保険金を倍額で支払ってもらえる特約が販売されています。
以上のことから、5日以上の入院、通院となった場合にどのような補償になるのかを見比べるのが1つのポイントになってきます。
【後遺障害保険金】
事故日からその日を含めて180日以内に高度障害を負った場合に、障害の等級に応じて保険金額の4%~100%が支払われます。
【重度後遺障害特別保険金】
【重度後遺障害介護費用保険金】
重度後遺障害とは、後遺障害代1級、2級、3級のなかでも特に神経、臓器、精神に著しい障害に該当することを指します。
重度後遺障害に該当する、介護が必要とみなされる等条件を満たすと、通常の搭乗者傷害保険金に追加される形で支払われます。
搭乗者傷害保険と他の保険との関わり
事故で死亡したら、生命保険と搭乗者傷害保険、両方の保険金が支払われるのか?
答えは、はいです。
生命保険の保険金を受け取っているからといって、搭乗者傷害保険の保険金が支払われない、もしくは減額されるといったことはありません。
逆もまた然りです。
生命保険も契約の金額を満額受け取ることができます。
他にも自動車保険において死亡を理由に保険金が支払われるのは、人身傷害保険があります。
事故の相手に過失があれば、対人賠償責任保険も含まれます。
ただし、人身傷害保険や対人賠償責任保険を使うあたっては、事故の相手と過失割合を決める、損害額を決定させる等の事務処理が必要なことから、実際に保険金が支払われるまでには相当の時間がかかります。
勿論過失割合のない事故もありますが、事故が発生した後の入院から退院までの時間、治療開始から完治までの通院期間を考えると、すぐ計算できるわけもなく、結果的に支払いもすぐ・・・というわけにはいきません。
その点、支払い金額が決まっている搭乗者傷害保険は、すぐ保険金が受け取れるというメリットがあります。
複数の保険に加入する=補償が重複してしまい保険料が勿体無いと考える方も多いでしょうが、実際に重複している部分はほんの一部です。
搭乗者傷害は他の補償と重なっているから不要と決め付けてしまうのは勿体無くないでしょうか?
搭乗者傷害保険は絶対加入した方がいいのか?
貯金がない人は加入するべし
搭乗者傷害保険は、加入しないという選択肢もあります。
事故によってかかってしまった医療費等を1度自己負担で立て替えても良い、人身傷害保険が支払われるまで待てるというくらい貯金があるのであれば、搭乗者傷害の保険金を急いで受け取る理由もないわけですから、「補償しない」を選択してください。
逆に、貯金があまりない、なるべく立替をしたくないとう人は搭乗者傷害の補償内容を選んでください。
保険料は月100円~200円程度、年間にすると3000円もしませんので、事故の際にまとまったお金を支払うよりは負担が少ないはずです。
勘違いをしている人は、検討の余地あり
搭乗者傷害保険は、契約の車に乗っている人であれば、契約者本人でも友人でも家族でも死亡・怪我をすれば補償の対象となります。
人身傷害は自分(運転者)だけの補償で、搭乗者傷害は同乗者だけの補償と勘違いしている人がいるのですが、それは違います。
自分は誰も車に乗せないし、いつも1人で運転しているから人身傷害保険だけで十分~と思っていたら、それは誤りです。
搭乗者傷害に加入すれば、人身傷害とあわせて保険金を受け取ることができます。
搭乗者傷害保険の販売方法は保険会社によって違う
搭乗者傷害保険は、保険会社によって特約として販売されているものもあれば、人身傷害保険の中に搭乗者傷害保険の補償内容が含まれている等、少しずつ違います。
【搭乗者傷害保険がある保険会社】
・アクサダイレクト
・イーデザイン損保
・AIG損保
・SBI損保
・おとなの自動車保険
・そんぽ24
・チューリッヒ
・三井ダイレクト損保
【搭乗者傷害の特約がある保険会社】
・あいおいニッセイ同和損保
・ソニー損保
【人身傷害保険と搭乗者傷害保険がミックスされた保険会社】
・損保ジャパン日本興亜
・東京海上日動火災保険
ですから、搭乗者傷害保険がいらないという人が損保ジャパン日本興亜や東京海上日動の自動車保険に加入してしまうと、本当は不要なはずの搭乗者傷害保険の保険料を支払ってしまうことになります。
搭乗者傷害保険の有無で、選ぶべき保険会社も変わってきますので、注意が必要です。
さいごに
対人賠償保険や対物賠償保険は、お店の休業補償だったり、怪我をさせたりした場合に何千万と支払いをしなければならないことを考えると、「無制限で契約した方が良いですよ」とおすすめできます。
しかし、搭乗者傷害保険は加入する人の資産状況によって加入の是非が変わってきますから、皆におすすめできるものではないのです。
また、車は所有しているけれども年に1~2回しか運転しない等極端に使用頻度が少ない人に搭乗者傷害保険が必要かといわれると、決してそうではありません。
迷った時は、代理店や保険会社のオペレーターに相談してみましょう。
近年はお客様が節約志向にありますから、何でもかんでも補償をつければよいとおすすめするのではなく、本当に必要な補償を取捨選択してアドバイスしてくれます。
インターネットで一括見積もりできる通販型自動車保険の会社も、専用のコールセンターを設置しお客様にアドバイスを行っていますので、是非自分にあう補償は何か聞いてみてください。
詳しくはこちらをどうぞ。