自動車保険には「更新」と「新規」があります。
車を初めて買う人はもちろん新規になりますが、すでに自動車保険に入っている人のほとんどが「更新」をされていると思います。
しかしこの「更新」と「新規」。
すでに自動車保険に入っている人も両方選ぶことができるんです。
今は言っている保険の更新をせずに新規契約で保険に入りなおすことが可能なんです。
普通に考えると何のメリットもなさそうなこの新規契約。
実は1等級~5等級の等級の低い人にとってはメリットがあるんです。
そこで今回は自動車保険の更新と新規について。
そのメリットデメリット、等級の低い人が得をする新規契約の契約方法について解説します。
併せて更新や新規契約で保険料を節約できる方法も解説していますので、是非参考にしてみて下さい。
もくじ
自動車保険の更新とは
自動車保険の更新とは、すでに自動車保険に加入している人が翌年度もその保険を引き継ぐことを指します。
ほとんどのドライバーが毎年この更新をしているのではないでしょうか。
更新は同じ保険会社を使うかどうかは関係なく、「保険を引き継ぐかどうか」です。
例えば保険会社Aで保険契約満期になるとします。
翌年度は乗り換えで保険料の安くなる保険会社Bの保険に加入する。
これももちろん更新です。
自分自身にかかっている保険を更新するという意味なので、「どこの保険会社か」は関係ありません。
更新方法ですが、満期の1~2カ月前になると現在契約中の保険会社から「満期のお知らせ」が届きます。
「まもなく契約が切れるので更新してください」
というお願いとお知らせです。
引き続き同じ保険会社を利用する場合は、通知に従って保険会社に連絡し、支払いなどの更新手続きを行えばOKです。
保険会社を変える場合は変えたい保険会社に連絡し、乗り換えの契約手続きを行います。
あとは今加入している保険会社に「更新しない」と連絡を入れればOKです。
注意点は前年度の保険契約期間と翌年度の契約期間で「空白期間」を作らないこと。
4月1日に前年度の保険が終了し、翌年度の保険契約が4月3日になると4月2日に事故を起こした場合は補償が受けられません。
満期が4月1日だったら乗り換える保険会社の保険開始日も4月1日にしましょう。
メリット
メリットは「等級が上がる事」です。
等級とは、無事故の実績の事です。
「ランク」と思ってもらえばいいでしょう。
更新はこの等級を引き継ぎ、さらに事故を起こして保険を使用していなければ等級が1個上がります。
この等級が高ければ高いほど優良ドライバーで、事故のリスクが低い人とみなされるため、どの保険会社でも保険料が安くなります。
新規契約、つまり車を初めて買って保険契約した人が6等級からスタート。
この等級は最高で20等級まであります。
保険に加入し、1年間保険を使用せず、更新すると翌年度に等級が1個上がります。
6等級の場合は7等級になるわけですね。
これが更新最大のメリットです。
等級が上がれば上がるほど保険料が安くなります。
逆に事故を起こし、保険を使用すると3等級ダウンです。
6等級の人は3等級になります。
もちろん保険料は割引どころか「割り増し」になります。
ただし、「事故を起こしたかどうか」ではなく「保険を使ったかどうか」です。
事故を起こしても自己負担で解決すれば等級は下がりません。
この等級、新規契約の6等級から一番保険料が安くなる20等級になるまでになんと15年かかります。
ですが近道はなく、コツコツ毎年上げていくしかありません。
この等級が新規契約になるとリセットされてしまいます。
何年間もコツコツ上げてきた等級が6等級に戻ります。
そのため、普通のドライバーは新規契約はせず、必ず「更新」するわけです。
この等級の引継ぎが更新のメリットです。
デメリット
一見更新にはデメリットがなさそうですね。
もちろんほとんどのドライバーにとって更新はデメリットなしです。
ですが、唯一更新でデメリットを受けるケースがあるんです。
それは「等級の低いドライバー」です。
ここで言う等級の低い人とは、新規契約時の6等級以下、1等級~5等級のドライバーを指します。
先ほど更新は「等級を引き継ぐ」と書きましたが、それは等級の低いドライバーも同様です。
1等級の人は1等級を引き継ぎ、翌年度1個等級が上がり2等級。
(保険を使用していない場合)
2等級の人は3等級になります。
事故を起こして保険を使用していた場合、1等級なら翌年度も1等級のままです。
つまり良い実績だけでなく、悪い実績も引き継いでしまうわけです。
1等級まで下がったドライバーが基本の6等級に戻るには5年かかります。
その5年間、割増しになった高額な保険料を支払い続けるわけです。
このように、等級の低い人は更新すると低い等級を引き継いでしまう、これがデメリットです。
自動車保険の新規契約とは
続いて新規契約についてです。
新規契約はその名の通り、更新ではなく白紙の状態で新たに保険に入りなおすことです。
初めて車を買って保険に入る人は必ずこの新規契約になりますが、すでに保険に加入しているドライバーでも今の契約を更新せずこの新規契約を結ぶことが可能です。
ですが、この新規契約は通常のドライバーにとっては何の意味もない、むしろデメリットだらけの契約です。
新規契約になると当然今まで上げてきた等級は全てリセットされてしまいます。
前契約で15等級まで上げても6等級までリセット。
20等級まで上げても6等級までリセット。
もちろん保険料は上がります。
等級の高い人が新規契約をするのは、自ら進んで保険料を上げるようなものです。
このように、通常は新規契約をしても意味がありません。
それでも新規契約をする場合、そのやり方は簡単です。
現在加入中の保険の満期に「更新しない」という連絡を保険会社に入れます。
その保険が満期を迎え、保険が切れたら次の保険会社に連絡し、手続きをすればOKです。
ただし満期を迎えてから新しい保険会社の保証が開始されるまで、車に保険はかかっていません。
自賠責があるので、運転自体はできますが、自己の際自賠責以外の補償がおりませんので、運転はしない方がいいでしょう。
どうしてもという場合は「1日保険」という手もあります。
メリット
ほとんどの人にとってメリットのない新規契約。
ですが、唯一1~5等級の「等級の低い人」にとってはメリットがあります。
先ほど更新では悪い等級も引き継ぐと書きましたが、だったら引き継がず、新規契約でリセットしてしまえばいいわけです。
1等級から6等級に戻すのに、更新では5年かかりますが、新規契約ならその期間が短くなるんです。
ただし、すぐに、と言うわけにはいきません。
自動車保険には13カ月ルールがあるからです。
13カ月ルールとは「中断新規」と呼ばれる仕組みで、
「保険契約が切れてから13か月までの新規契約は以前の契約内容を反映する」
と言う仕組みです。
例えば1等級の人が6等級にリセットしてもらうとします。
4月1日が更新日として、その更新をせずに新規契約しようとした、とします。
4月1日に保険が切れて、4月2日に新規契約をすれば晴れてリセットされて6等級!
…というわけには残念ながらいきません。
13か月間は前回の保険契約内容を反映しますので、この方の場合、4月2日に別の会社で新規契約しても等級は1等級です。
(ただし、全契約を満期で終了しているので保険を使用していなければ2等級になります)
本当にリセットするためには13カ月、つまり来年の5月1日まで待たなければいけません。
もちろんその間は任意保険契約はできませんので、13か月間は任意保険未加入状態になります。
車の運転はしない方がいいでしょう。
ですが、13か月間車の運転を控えて13か月後に新規契約をして6等級にすれば、わずか1年ちょっとで6等級に戻れます。
更新だと5年かかるものが、新規なら1年ちょっとまで短縮されるんです。
これが新規契約の唯一のメリットです。
ちなみにこの13か月ルール。
1~5等級の人は13か月以内の新規契約ではそのまま等級が引き継がれると書きましたが、等級の高い人、7等級~20等級の人は6等級にリセットされます。
(ただし若干有利な6Fという等級になります)
単純に等級を保護する目的ではなく、例えば事故を起こして保険を使った人が安易に等級をリセットされないようにする仕組みと言えます。
デメリット
ほとんどのドライバーにとっては新規契約はデメリットしかありません。
等級がリセットされると保険料も大きく上がりますし、等級を上げるにはまた何年もかかります。
ほとんどのドライバーにとってデメリットが非常に大きいため、新規契約はお勧めできません。
先ほどのような1~5等級で13か月車に乗る用事がない、という極々限られた条件の人のみにおすすめする方法です。
通常はよほどのことが無い限り更新を選びましょう。
更新・新規契約の際は保険料を見直すチャンス
等級を上げる、等級をリセットする以外で保険料を安くする方法がもう一つあります。
実は自動車保険の保険料というのは保険会社によって全く違います。
会社によっては年間で数万円以上の差が出ることも。
そのため、もし、自動車保険の更新や新規契約をする際はできるだけ多くの保険会社から見積もりを取って、一番安い保険会社を選ぶことをお勧めします。
現在加入の保険会社とほぼ同じ契約内容で、格段に保険料が下がるかもしれません。
更新や新規契約は保険会社を変更するのに、最適なタイミングです。
見直しの際は自動車保険の一括見積もりサイトの利用がおすすめ
もし、更新や新規契約のタイミングで保険会社数社の見積もりを取って比較したい場合、「自動車保険の一括見積もりサイト」を利用してみてください。
自動車保険の一括見積もりサイトはその名の通り、保険会社数社の見積もりが簡単に取れるサービスです。
通常、見積もりというのは保険会社1社ごとに、車の情報やドライバーの情報を入力しなければいけません。
ですがこのサイトを使うことで1回の入力で国内複数の保険会社の見積もりを取ることができます。
複数の会社の見積もりを取ると、条件や保険料の比較がしやすくなります。
全ての会社の補償条件を同じにしておけば、単純に一番安い保険会社を選べます。
6等級~10等級くらいの比較的等級の低い方や、新規で6等級スタートになる方がこのサービスを利用すると大きく保険料を節約できる可能性が高いです。
同じ契約内容なら保険料は1円でも安い方が良いですよね。
もちろん自動車保険一括見積もりサイトは利用無料のサービスです。
デメリットは一切ないので是非利用してみてください。
詳しくはこちらをご覧ください。
最後に
ほとんどのドライバーにとって自動車保険は「更新」するものです。
更新なら等級も上がりますし、それに伴って保険料も下がります。
新規契約は1等級~5等級で、今後13か月間車の運転をしない、という限られた条件のドライバーにしかメリットがありません。
この条件に当てはまらない人はいつも通り「更新」しておきましょう。
なお、更新にしろ、新規にしろ、このタイミングで是非複数の保険会社から見積もりを取って一番保険料の安い保険会社を探してみましょう。
等級や条件によっては驚くほど保険料が下がるかもしれません。
保険の見直しタイミングというのはそうそうあるものではありません。
是非この機会に見直してみてはいかがでしょうか。