「車を買い替えるんだけど、これまで加入してきた任意保険は解約したほうがいいのかな?それとも保険の車種変更をしたほうがいいのかな??」
車を買い替えるときにこれまで加入していた任意保険を解約するのか、車種変更をして継続し続けるの
かについて悩んでおられる方がいらっしゃるでしょう。
解約、または車種変更して保険料割引などお得なことがあるのであれば、すぐにでもその判断をしたい
ところです。
では実際に任意保険は解約するのと、車種変更するのとでは、どちらがおすすめなのでしょうか??
今回は、車を買い替える場合、任意保険は解約か車種変更のどちらがおすすめかについてご紹介します。
もくじ
車買い替えのときの任意保険の解約
車を買い替えるときに任意保険の解約をお考えの方がいらっしゃいますが、任意保険を解約したときのメリット・デメリットについてみていましょう。
任意保険を解約するときのメリット
任意保険を解約するとなると、他の保険会社に視野をあてることになりますが、他の保険会社をみるとこれまで自分が加入していた保険会社より魅力的な商品があることに気づく場合があります。
もし他の保険会社に乗りかえる場合は、これまで加入していた保険会社を解約しなければいけません。
保険会社を解約したときには以下のようなメリットがあります。
契約期間中の場合は保険料が戻ってくる
例えばあなたが加入している任意保険の契約期間が2018年5月6日から2019年5月5日までの1年だとします。
その保険を2018年11月5日に解約する場合は、未経過分が6ヶ月あることになりますね。
このような場合は未経過分の任意保険料が戻ってくるのです。
ただし解約返戻金が受けられるのは、保険料の任意保険料を年一括払いしている方のみが対象になります。
どれくらいの解約返戻金があるのかは、「解約返戻金=年間保険料×(1-契約が経過した期間に対応する短期率)」で算出します。
公式にある「短期率」は以下の表に示されたものになります。
経過期間 | 7日まで | 15日まで | 1ヶ月まで | 2ヶ月まで | 3ヶ月まで | 4ヶ月まで | 5ヶ月まで |
短期率 | 0.1 | 0.15 | 0.25 | 0.35 | 0.45 | 0.55 | 0.65 |
経過期間 | 6ヶ月まで | 7ヶ月まで | 8ヶ月まで | 9ヶ月まで | 10ヶ月まで | 11ヶ月まで | 12ヶ月まで |
短期率 | 0.7 | 0.75 | 0.8 | 0.85 | 0.9 | 0.95 | 1 |
つまり先ほどの例だと、保険の経過期間は6ヶ月までですので、短期率は70%。
年間保険料が50,000円の場合は、50,000円×(1-0.7)=15,000円です。
年間保険料が50,000円、経過期間が6ヶ月だからといって、単純に半分の50,000÷12ヶ月×6ヶ月で解約返戻金を計算しているわけではありません。
そう考えると、実は任意保険を途中で解約するのは解約返戻金があったとしても、戻ってくるお金は少ないですが、戻ってきたお金で新しく契約する保険料にあてることができますね。
次の保険会社の新規割引を受けることができる
後述にもありますが、新規で保険に加入すると、ネット割引などを受けることができ、場合によっては数万円の割引を受けることができるためかなりお得です。
他の保険会社に乗りかえるといっても、手続きはそれほど面倒なものではありませんので、思い切って保険会社を乗りかえるのも1つでしょう。
任意保険を解約するときのデメリット
任意保険を解約すると、これまで累積されてきた等級が消滅してしまいます。
今後車に乗ることがない場合は、等級が消滅してもいいかもしれませんが、今後数パーセントでも任意保険を契約する可能性がある場合、等級のことを考えると任意保険を解約してしまうのはもったいないです。
どうしても車の等級を引き継ぎたい場合は、解約する保険会社に「中断証明書」の発行をお願いすれば、保険を解約してから10年以内であれば、次に購入した車に等級を引き継ぐことができます。
もし中断証明書がなければ、初めて任意保険に加入したときの6等級から始まりますし、6等級は保険料が高いですので、あなたにとってデメリットしかありません。
また先ほどご紹介した解約返戻金も、お金は戻ってきますがその金額が少ないこともデメリットでしょう。
車買い替えのときの任意保険の車種変更
車を買い替えるときに、これまで加入していた保険会社を継続して使い続けるためには、任意保険の車種変更(車両入替)の手続きを行なわなければいけません。
では任意保険を車種変更したときにはどのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか??
任意保険を車種変更するときのメリット
任意保険を車種変更するときは、これまで乗っていた車の車両情報を書き換えてもらう必要があります。
書き換えの手続きが完了すると、そのまま契約期間は継続されますので、後日保険会社から保険証券や継続書が送られてくることはありません。
では任意保険で車種変更することでどのようなメリットがあるのかをご紹介します。
継続契約割引
保険会社によっては保険期間満了にともない契約を更新される方に「継続契約割引」を設定しているところがあります。
2018年現在では、以下の5社が継続契約割引の適用を行なっています。
保険会社 | 割引率 | 備考 |
そんぽ24 | 0.03 | 自動継続契約を申し込んでいる契約者に限定して割引 |
JA共済 | 0.02 | |
イーデザイン損保 | 0.5~3% | 継続回数に応じて |
三井ダイレクト | 1~2% | 0.5%ずつ割引率が上昇 |
ソニー損保 | 1~2% |
継続して契約することで、更新ごとの保険料が割引されるのは大きいですよね。
ちなみにご紹介した5社のうち、イーデザイン損保は、等級に関係なく、前年の契約期間中に事故がなく保険を使うことがなければ、保険契約更新のときに2%の割引を受けることができます。
またソニー損保は、くりこし割引といって、契約時にお客様が申告した積算走行距離区分よりも実際に走行した距離が1,000km以上短かったときに適用される割引です。
ソニー損保は自動車保険以外にも医療保険を展開しているのですが、もし医療保険を契約している方は保険料が1,000円割引されます。
早期契約割引
契約開始日から一定期間前に契約を完了することで、早期契約割引を受けることができます。
2018年現在でこの割引制度を実施しているのは、以下の4社です。
保険会社 | 割引額 | 契約申込期限 |
イーデザイン損保 | 500円 | 45日前まで |
チューリッヒ | 500円 | 45日前まで |
そんぽ24 | 500円 | 30日前まで |
セゾン自動車 | 400円 | 30日前まで |
600円 | 50日前まで |
契約を更新することが前もって分かっている場合は、早めに契約更新することでこれだけの割引が受けられますので、たかが数百円と思われるかもしれませんが、割引を利用するほどお得なことはありません。
インターネット割引
ネットで契約手続きを行なうと、以下のようにネット割引で大幅な割引を受けることができます。
保険会社 | 新規契約 | 継続契約 | 備考 |
イーデザイン損保 | 10,000円 | 10,000円 | ― |
セゾン自動車 | 10,000円 | 10,000円 | ― |
SBI損保 | 10,000円 | 10,000円 | ― |
ソニー損保 | 10,000円 | 2,000円 | ― |
三井ダイレクト | 4,000~10,000円 | 3,000円 | 割引額に幅がある保険会社は、ネット割引を適用する前の保険料により、割引額が異なる |
セコム損保 | 3,500円 | 2,000円 | |
アクサダイレクト | 2,000~10,000円 | 1,000円 | |
チューリッヒ | 2,500~7,000円 | 継続1回目2,000~5,000円 | |
継続2回目1,500円 | |||
そんぽ24 | 0.1 | 0.07 |
インターネット割引は、新規契約と継続契約で割引される金額が異なることが分かります。
継続契約でもこのようにネット割引が適用されるのは嬉しいですね。
任意保険を車種変更するときのデメリット
任意保険で車種変更するときのデメリットは、先ほどご紹介したように車種変更で契約更新するとさまざまな割引の種類がありますが、割引される金額はそれほど大きいものでないことが分かるでしょう。
とくにインターネット割引では、継続契約でも割引が適用されるのはメリットですが、新規契約よりも割引される金額が少ないとなると、車種変更までして継続契約するより、任意保険を解約して他の保険会社に新規で契約したほうがお得になりますね。
他の保険会社に乗りかえても等級が下がるわけではありませんし、保険料をお得に支払いたい場合は他の保険会社に乗りかえて、大幅な新規契約割引をねらうのも1つでしょう。
ただ他の保険会社に乗りかえるのは、等級のことを考えると、それほど簡単なものではありません。
任意保険には「等級」の設定があり、任意保険に初めて加入した場合は6等級からスタートすることになります。
事故を起こすなどで保険を使った場合は1年ごとに等級が下がっていき、保険料は上がっていきます。
それとは反対に保険を使うことがなければ、1年ごとに等級があがっていき、保険料は下がっていきます。
等級は保険の契約日を起点に1年ごとの満了日になると等級が上がりますので、言いかえると1年経っていない状態で保険を乗りかえると、次の保険を契約した日を起点に1年間無事故でなければ等級が上がらないです。
例えば、2018年10月31日満了日の保険を、2018年10月10日に他の保険会社に乗りかえたとすると、次にあなたの等級があがるのは、2018年10月10日から1年後の2019年10月10日になってしまうということです。
保険の乗りかえを考えるにしても、満了日のタイミングが合わなければ等級で損をしてしまいます。
等級でタイミングが合わない場合は、無理に他の保険会社に乗りかえることを考えるのではなく、ご紹介した割引制度を利用しながら車種変更することをおすすめします。
車買い替えのときの任意保険は解約か車種変更のどちらがおすすめか??
車を買い替えるときに、これまでの車に加入していた任意保険は、車種変更することをおすすめします。
任意保険を解約して他の保険会社に乗りかえると、新規契約の割引を受けることができ、継続割引より割引金額が大きいためお得な気がします。
しかし新規契約割引を受けた保険料と、継続割引を受けた保険料の差額は最大でも9,000円程です。
継続契約割引、早期契約割引を受けるとその差額はさらに縮まります。
あなたにとってはその差額に魅力を感じるかもしれません。
ただ保険の満了日を迎える前にこれまで契約していた保険会社を解約して、他の保険会社に保険を乗りかえると、乗りかえた日から1年がたたないと等級があがりませんでした。
等級が上がらない分の保険料は高いですし、1等級上がると保険料は大きく異なります。
車を買い替えるということは、次に乗る車の候補があるということ。
その場合は任意保険を解約するより、等級の維持、早い段階での等級アップのことを考え、1等級あがってからの保険料の割引を考えたほうがいいですので、車種変更をおすすめするのです。
また車種変更は手続きが簡単ですので、なおおすすめできますよ。
さいごに
今回は、車を買い替える場合、任意保険は解約か車種変更のどちらがおすすめかについてご紹介しました。
各任意保険会社では、新規契約や継続契約のときの割引制度を設けているところがあります。
とくに新規契約の割引金額は大きいので、これまで加入していた保険会社を解約して、割引金額の大きい保険会社への乗りかえを考える方もいらっしゃいますが、保険会社を乗りかえると等級のあがる時期が遅くなってしまうことを考えなければいけませんでしたね。
保険会社を乗りかえても等級の引き継ぎはできますが、これまでの保険会社に加入したままで等級があがれば保険料は安くなりますし、新規契約の割引をねらわなくても安く保険を契約できます。
それに対して任意保険の解約は保険料の解約返戻金がありますが、十分な金額が戻ってくるわけではありませんし、等級をきちんと引き継がないと保険料が高くなってしまいます。
車種変更のほうが、手続きが簡単であるということからも、車を買い替えのときは車種変更をおすすめするのです。
今回の記事を参考に、任意保険を解約するのか車種変更するのか検討してみてくださいね。