一般的に自動車保険の任意保険料は、軽自動車から普通自動車に変えると保険料が高くなると言われています。
車を軽自動車から普通自動車に変えようかと思案されている方にとっては、一体どれくらい任意保険料が高くなるのかが気がかりですね。
ここでは、「軽自動車から普通自動車に乗り換えた場合に任意保険料がどのくらい高くなるのか?」、また、「普通自動車の任意保険料を安く抑えるためのコツ」をご紹介しています。
もくじ
軽自動車よりも普通車の方が任意保険料は高くなるそのワケは?

普通自動車の任意保険料は、軽自動車より高くなります。
これは、普通自動車の方が軽自動車よりも事故を起こすリスクが高いと考えられているためです。
軽自動車は搭乗人員が最大でも4人と普通自動車よりも少なく、車体も小さく軽量でスピードも遅いことから、普通自動車よりも重大な事故を引き起こしにくいということで普通自動車よりもリスクが小さいとみなされています。
自動車保険の保険料は事故を起こすリスクが高いものほど保険料が高く設定されますから、軽自動車と普通自動車ではどうしても普通自動車の保険料の方が高くなってしまうのです。
また、普通自動車の任意保険料には、「車両料率クラス」という車の種類・型式ごとのリスクも加えられます。
「車両料率クラス」のリスクは軽自動車には加えられていませんから、これも普通自動車の任意保険料が高くなる原因のひとつです。
軽自動車から普通自動車に乗り換えた場合に任意保険料がどのくらい高くなる?

軽自動車から普通自動車に乗り換えた場合に任意保険料がどのくらい高くなるのかをアクサダイレクトの簡易見積もりを使い比べてみました。
見積もり1は軽自動車、見積もり2は1,500cc以下の排気量普通乗用車(小型車)トヨタ アクアで算出、見積もり3は1,501cc~2,000cc以下の排気量トヨタ プリウスで算出、見積もり4は2,001cc~2,500cc以下の排気量ホンダ オデッセイで算出したものです。
車種以外はすべて同じ条件で見積もりしています。
・見積もり1~4共通条件
保険会社 | アクサダイレクト |
免許書の色 | ゴールド |
走行距離 | 5,000以上~10,000km未満 |
ノンフリート等級 | 20等級 |
年齢 | 35歳 |
対人賠償保険/対物賠償保険 | 無制限 |
人身傷害補償特約 | 3,000万円 |
運転者限定特約 | 家族型 |
・見積もり1
車名 | 車の排気量 |
ダイハツ タント | 660cc以下(軽自動車) |
車両保険なし | 車両保険有り(フルカバータイプ) |
16,120円 | 27,170円 |
・見積もり2
車名 | 車の排気量 |
トヨタ アクアNHP10 | 661cc~1,500cc以下 |
車両保険なし | 車両保険有り(フルカバータイプ) |
21,050円 | 36,720円 |
車両料率クラス | |
対人賠償責任保険 | 5 |
対物賠償責任保険 | 5 |
傷害保険(搭乗者傷害保険と人身傷害保険) | 5 |
車両保険 | 4 |
・見積もり3
車名 | 車の排気量 |
トヨタ プリウスZVW30 | 1,501cc~2,000cc以下 |
車両保険なし | 車両保険有り(フルカバータイプ) |
21,050円 | 39,440円 |
車両料率クラス | |
対人賠償責任保険 | 5 |
対物賠償責任保険 | 5 |
傷害保険(搭乗者傷害保険と人身傷害保険) | 5 |
車両保険 | 5 |
・見積もり4
車名 | 車の排気量 |
ホンダ オデッセイRC1 | 2,001cc~2,500cc以下 |
車両保険なし | 車両保険有り(フルカバータイプ) |
17,840円 | 34,380円 |
車両料率クラス | |
対人賠償責任保険 | 4 |
対物賠償責任保険 | 3 |
傷害保険(搭乗者傷害保険と人身傷害保険) | 4 |
車両保険 | 4 |
4種の見積もりで分かったことは
車種を「軽自動車」、「1,500cc以下のコンパクトカー」、「2,000cc以下の普通自動車」、「2,500cc以下の普通自動車」変えることによって、任意保険料がどれくらい変わるのかを比べてみて分かったことは以下の3点です。
・普通自動車よりも軽自動車の方が任意保険料は安い
・車両保険なしの契約の場合、車種によっては1,700円程度しか変わらない場合もある
・普通自動車の任意保険料は、車の排気量よりも車名・型式による「車両料率クラス」による違いの方が大きい
普通自動車よりも軽自動車の方が任意保険料は安い
見積もり1の軽自動車の年間保険料は、車両保険なしの場合で16,120円、車両保険あり(フルカバータイプ)の場合で27,170円です。
見積もり2~3の年間保険料を見てみると、すべて軽自動車よりも高くなっています。
車両保険なしの場合で1,720~4,930円、車両保険あり(フルカバータイプ)の場合で7,210~12,270円値上がりします。
軽自動車から普通自動車に乗り換えた場合、任意保険料の負担が必ず増えることになると言えそうです。
車両保険なしの契約の場合、車種によっては1,700円程度しか変わらない場合もある
軽自動車から普通自動車に変更すると、任意保険料は高くなります。
ただ、車両保険なしの場合には車の車名や型式にもよりますが、見積もり4のように1,700円程度の値上がりで済む場合もあります。
軽自動車から普通自動車に変更すると任意保険料が高くなりますが、その値上がり率はどのような契約をするかによって違ってきます。
普通自動車の任意保険料は、車の排気量よりも車名・型式による「車両料率クラス」による違いの方が大きい
普通自動車の任意保険料の見積もり2~4を見てみると、車の排気量が大きくなるほどに任意保険料が高くなるというものではなく、車の車名・型式による違いで任意保険料の多寡が生じていることが分かります。
例えば、見積もり2、3、4を比べてみると、車の排気量の最も大きい2,500cc以下ホンダ オデッセイの任意保険料が最も安く、次いでコンパクトカーの1,500cc以下トヨタ アクア、そして、最も任意保険料が高くなるのは排気量が中間の2,000cc以下トヨタ プリウスです。
排気量順に任意保険料が高くなるのであれば、2,500cc以下のホンダ オデッセイが最も高くなり、次いで2,000cc以下のトヨタ プリウス、そして、最も任意保険料が安くなるのがコンパクトカーの1,500cc以下トヨタ アクアの順になるはずです。
ところが実際は、排気量の大きさではなく、車名・型式による違い「車両料率クラス」が任意保険料に大きな影響を与えています。
具体的に各見積もりの「車両料率クラス」を見てみると、以下の通りです。
・見積もり2 トヨタ アクアNHP10 1,500cc以下
車両料率クラス | |
対人賠償責任保険 | 5 |
対物賠償責任保険 | 5 |
傷害保険(搭乗者傷害保険と人身傷害保険) | 5 |
車両保険 | 4 |
・見積もり3 トヨタ プリウスZVW30 2,000cc以下
車両料率クラス | |
対人賠償責任保険 | 5 |
対物賠償責任保険 | 5 |
傷害保険(搭乗者傷害保険と人身傷害保険) | 5 |
車両保険 | 5 |
・見積もり4 ホンダ オデッセイRC1 2,500cc以下
車両料率クラス | |
対人賠償責任保険 | 4 |
対物賠償責任保険 | 4 |
傷害保険(搭乗者傷害保険と人身傷害保険) | 3 |
車両保険 | 4 |
「車両料率クラス」は1~9まであり、数字が大きくなるほどリスクが高いとみなされています。
任意保険料は見積もり3のトヨタプリウスが最も高い保険料になっていました。
プリウスの車両料率クラスを見てみると、確かに他の車よりも車両料率クラスが高く設定されています。
最も任意保険料が安かったホンダ オデッセイは、やはり車両料率クラスが3つの中では最もリスクが低く設定されています。
普通自動車保険の任意保険料は、車の排気量よりも「車両料率クラス」のリスクの高さによってその多寡が左右されると言えます。
普通自動車の任意保険料を安く抑えるためには

普通自動車の任意保険料を安く抑えるためには、「車両料率クラスが低い車を選ぶ」、「なるべく安い保険会社選ぶ」、この2つが大切になります。
「車両料率クラス」が低い車を選ぶ
車両料率クラスは、上記の見積もりのところでもご紹介したように普通自動車の任意保険料の多寡を左右する大きな要因です。
任意保険料をなるべく安く済ませたいなら、車両料率クラスがなるべく低い車を選ぶことも大切になります。
車両料率クラスは損害保険料算出機構という団体が決定するもので、車の車名・型式毎に事故や盗難に合うリスクを1~9の車両料率クラスとして決定しています。
車両料率クラスに応じたリスクは任意保険料の「対人賠償保険」、「対物賠償保険」、「搭乗者傷害保険・人身傷害保険」、「車両保険」に対して加算されることになります。
このことから車両料率クラスの高い車を選ぶと、その分任意保険料が高くなります。
具体的に車両料率クラスでどの程度負担が増えるのかというと、こちらの表をご覧ください。
車両料率クラス | 保険料の割増率 |
1 | 1 |
2 | 1.2 |
3 | 1.4 |
4 | 1.6 |
5 | 1.9 |
6 | 2.4 |
7 | 3 |
8 | 3.6 |
9 | 4 |
このように、車両料率クラスが上がるごとに保険料が高くなっていきます。
車両料率クラス1と5では保険料が1.9倍も高くなることになります。
保険料を安く抑えたい場合には、車の車両料率クラスも考慮しておくことも大切です。
車の車両料率クラスは、損害保険料算出機構の型式別料率クラス検索(https://www.giroj.or.jp/ratemaking/automobile/vehicle_model/)で調べられます。
同じ車名の車でも型式によって車両料率クラスが異なりますから、車を購入する前にあらかじめ調べておくと安心かもしれません。
なるべく安い保険会社選ぶ
普通自動車の任意保険料は、契約する保険会社によってかなり変わります。
同じような補償内容でも保険料が高い保険会社、安い保険会社と様々ですから、なるべく安い保険会社を選ぶことが大切です。
任意保険料そのものが安ければ、たとえ車両料率クラスが高い車に保険を掛けることになったとしても保険料が高い保険会社で契約した場合よりも安く済ませることができます。
任意保険料が安い保険会社を見つけるには、実際に色々な保険会社から見積もりを取り寄せてみるのがおすすめです。
見積もりを取り寄せるとなると面倒に感じられるかもしれませんが、複数の保険会社の見積もりを一括で取り寄せられる「自動車保険の一括見積もりサイト(無料)」を活用するととても簡単に取り寄せられます。
詳しくはこちらをどうぞ
さいごに
軽自動車から普通自動車に乗り換えると任意保険料が著しく高くなるのではないかと心配になったりもします。
しかし、実際は、乗り換える車の車両料率クラスや契約する保険会社に留意すれば、軽自動車から普通自動車に乗り換えることで任意保険料が数倍負担増になるといったことはなさそうです。
ただ、任意保険料が高い保険会社と契約をして車両料率クラスの高い車を選ぶと、場合によっては任意保険料がかなり高額になってしまうこともあります。
車はどうしても乗りたい車ということもありますから、まずは、保険会社を賢く選ぶようにしてみましょう。
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