普通自動車から軽自動車に乗り換えると、自動車保険の任意保険料をはじめとする車に関する維持費が安くなると言われていますね。
軽自動車はコンパクトで小回りもきき、ちょっとした日常の用事をこなすのにはもってこいの車です。
実際に維持費も安く済むということで、普通自動車から軽自動車に乗り換えている方も多いようです。
普通自動車から軽自動車に乗り換えた場合、任意保険料はどの程度安くなるのでしょうか?
詳しく解説します。
もくじ
普通自動車から軽自動車に乗り換えると任意保険料が安くなるワケは?
自動車保険は、事故を起こすリスクが高いほどその任意保険料が高くなります。
普通自動車は軽自動車よりもスピードも早く、車体も大きく搭乗人数も多いため、軽自動車よりは事故を起こすリスクが高いとみなされています。
このことから、普通自動車から軽自動車に乗り換えると、それだけで事故リスクが低くなるということで任意自動車保険料が安くなります。
また、普通自動車の場合には、任意保険料の算定に「車両料率クラス」によるリスクが加算されます。
車両料率クラスとは、車の車名・型式ごとに損害保険料率算出機構により決定された事故・盗難リスクを1~9のクラスに分類したものです。
車両料率クラス1~9は数字が大きくなるほどリスクが高いとみなされて、その分、任意保険料がリスクに応じて割増されることになります。
軽自動車には車両料率クラスによる加算はされないため、普通自動車から軽自動車に乗り換えると車両料率クラスの分、任意保険料が安くなります。
普通自動車から軽自動車に乗り換えると任意保険料はどのくらい安くなる
普通自動車から軽自動車に乗り換えると任意保険料がどのくらい安くなるのかを実際の見積もりで比べてみました。
見積もり1~5は、そんぽ24での簡易見積もりです。
見積もり1が排気量2501cc以下のニッサン エルグランドで算出、見積もり2が排気量2,001~2,500cc以下スバル レガシィ、見積もり3が排気量1,501~2,000cc以下トヨタ プリウス、見積もり4が排気量661~1,500cc以下ホンダ フィット、見積もり5が軽自動車のスズキ アルトで見積もりを算出しています。
車種以外は同じ条件で見積もりしています。
・見積もり1~5の共通条件
保険会社 | そんぽ24 |
免許書の色 | ゴールド |
走行距離 | 4,000~7,999km |
ノンフリート等級 | 16等級 |
対人賠償保険/対物賠償保険 | 無制限 |
人身傷害補償特約 | 5,000万円(車両保険なしの場合には人身傷害補償特約なし) |
運転者限定特約 | 本人・配偶者限定 |
・見積もり1
車名 | 車の排気量 |
ニッサン エルグランド PE52 | 2501cc以下 |
車両保険なし | 車両保険有り(フルカバータイプ) |
25,430円 | 101,620円 |
車両料率クラス | |
対人賠償責任保険 | 5 |
対物賠償責任保険 | 4 |
傷害保険(搭乗者傷害保険と人身傷害保険) | 4 |
車両保険 | 6 |
・見積もり2
車名 | 車の排気量 |
スバル レガシィ BM9 | 2,001~2,500cc以下 |
車両保険なし | 車両保険有り(フルカバータイプ) |
22,260円 | 83,300円 |
車両料率クラス | |
対人賠償責任保険 | 3 |
対物賠償責任保険 | 4 |
傷害保険(搭乗者傷害保険と人身傷害保険) | 4 |
車両保険 | 5 |
・見積もり3
車名 | 車の排気量 |
トヨタ プリウス ZVW30 | 1,501~2,000cc以下 |
車両保険なし | 車両保険有り(フルカバータイプ) |
28,430円 | 89,600円 |
車両料率クラス | |
対人賠償責任保険 | 5 |
対物賠償責任保険 | 5 |
傷害保険(搭乗者傷害保険と人身傷害保険) | 5 |
車両保険 | 5 |
・見積もり4
車名 | 車の排気量 |
ホンダ フィット GG7 | 661~1,500cc以下 |
車両保険なし | 車両保険有り(フルカバータイプ) |
23,700円 | 68,220円 |
車両料率クラス | |
対人賠償責任保険 | 4 |
対物賠償責任保険 | 4 |
傷害保険(搭乗者傷害保険と人身傷害保険) | 4 |
車両保険 | 3 |
・見積もり5
車名 | 車の排気量 |
スズキ アルト | 660cc以下(軽自動車) |
車両保険なし | 車両保険有り(フルカバータイプ) |
21,770円 | 58,860円 |
見積もり1~4の普通自動車と見積もり5の軽自動車の任意保険料を比べてみると
普通自動車から軽自動車に乗り換えた場合、以下のように任意保険料が安くなります。
軽自動車の任意保険料との比較
車両保険なし | 車両保険有り (フルカバータイプ) |
|
見積もり1:エルグランド | -3,660円 | -42,760円 |
見積もり2:レガシィ | -490円 | -2,4440円 |
見積もり3:プリウス | -6,660円 | -30,740円 |
見積もり4:フィット | -1,930円 | -9,360円 |
この表を見てみると、どの場合でも必ず任意保険料が安くなっています。
普通自動車から軽自動車に乗り換えると任意保険料が必ず安くなると言えそうです。
ただ、どれくらい安くなるのかは、今所有している普通自動車によると言えます。
例えば、見積もり1のエルグランドから軽自動車に乗り換えると、車両保険有りの場合には42,760円も任意保険料が安くなります。
ところが、 見積もり4のフィットから軽自動車に乗り換えると、車両保険有りの場合でも9,360円しか安くなりません。
見積もり2のレガシィの車両保険なしの場合にいたっては、軽自動車に乗り換えても490円しか安くなりません。
このように、普通自動車から軽乗用車の乗り換えると任意保険料は安くなりますが、その額は今所有している普通自動車の車名・型式によると言えます。
これは、普通自動車の任意保険料に車の車名・型式ごとに「車両料率クラス」によるリスクが加算されているためです。
軽自動車の任意保険料には「車両料率クラス」によるリスクは加算されていないため、車両料率クラスが高い普通自動車から軽自動車に乗り換えるほど任意保険料が安くなります。
見積もり1エルグランドから軽自動車に乗り換えた場合に任意保険料が大幅に安くなりますが、これはエルグランドの車両料率クラスが高く、中でも車両保険の車両料率クラスが6と高めであるためだと推測できます。
エルグランドの車両料率クラスがどれくらいなのかというと、こちらです。
・エルグランドPE52 車両料率クラス
車両料率クラス | |
対人賠償責任保険 | 5 |
対物賠償責任保険 | 4 |
傷害保険(搭乗者傷害保険と人身傷害保険) | 4 |
車両保険 | 6 |
他の車の車両料率クラスがどうかというと、こちらです。
・スバル レガシィBM9 車両料率クラス
車両料率クラス | |
対人賠償責任保険 | 3 |
対物賠償責任保険 | 4 |
傷害保険(搭乗者傷害保険と人身傷害保険) | 4 |
車両保険 | 5 |
・トヨタ プリウスZVW30 車両料率クラス
車両料率クラス | |
対人賠償責任保険 | 5 |
対物賠償責任保険 | 5 |
傷害保険(搭乗者傷害保険と人身傷害保険) | 5 |
車両保険 | 5 |
・ホンダ フィットGG7 車両料率クラス
車両料率クラス | |
対人賠償責任保険 | 4 |
対物賠償責任保険 | 4 |
傷害保険(搭乗者傷害保険と人身傷害保険) | 4 |
車両保険 | 3 |
フィットのように車両料率クラスがトータルであまり高くない場合には、普通自動車から軽自動車に乗り換えた場合でも任意保険料は大きくは変わりません。
車両料率クラスによるリスクでの加算は、以下のようにクラスが高くなるほど任意保険料に加算される割合が高くなります。
・車両料率クラス
料率クラス | 保険料の加算率 |
1 | 1.0倍 |
2 | 1.2倍 |
3 | 1.4倍 |
4 | 1.6倍 |
5 | 1.9倍 |
6 | 2.4倍 |
7 | 3.0倍 |
8 | 3.6倍 |
9 | 4.0倍 |
この車両料率クラスによる保険料の加算率を見てみると、料率クラス4以上になると負担が大変になってくるようです。
例えば、エルグランドの車両保険に対する車両料率クラス6ですから、車両保険有りの場合の任意保険料が高くなる理由がわかりますね。
車両料率クラスは、損害保険料算出機構 型式別料率クラス検索(https://www.giroj.or.jp/ratemaking/automobile/vehicle_model/)で調べられます。
自分の車の車両料率クラスを調べてみると、軽自動車に乗り換えた場合にどれくらい保険料が安くなるのかが検討つくかもしれません。
こちらの記事もご覧ください。
実際に軽自動車に乗り換えた場合に任意保険料がどのくらい安くなるのかを知りたいなら
普通自動車から軽自動車に乗り換えると任意保険料が安くなることは間違いがありません。
ただ、実際にどのくらい安くなるのかを知りたいなら、保険会社から見積もりを取り寄せてみるのがおすすめです。
また、自動車保険の任意保険料は、同じような補償内容でもその保険料は保険会社によって異なります。
保険の契約を変える良い機会ですから、現在契約している保険会社以外にも見積もりを取ってみると今よりもより安い保険料で賄える保険会社を見つけられるかもしれません。
見積もりを色々な保険会社から取り寄せるとなると大変な印象があるかもしれませんが、「自動車保険の一括見積もりサイト(無料)」を使えば意外と簡単に取り寄せられます。
とくに代理店型の保険会社と契約している方は、ダイレクト型(通販型)の保険会社に変えることで保険料が安くなる可能性が高いです。
詳しくはこちらをどうぞ・
さいごに
軽自動車の任意保険料は、普通自動車よりも安く抑えられます。
今、契約している保険会社で車種を変更してそのままお付き合いを続けていくのもいいですが、自動車保険の任意保険料は契約する保険会社によってかなり違います。
普通自動車から軽自動車に乗り換えることは、保険を見直す良い機会でもあります。
思い切ってより安い保険料の保険に乗り換えることを検討してみるのもおすすめです。
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